838: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2008/02/18(月) 01:56:41 ID:???
程好い空腹感が脳を刺激する夕方時。
何時もならば喧しいほど賑やかなその家庭で、ペンギン一羽はほとほと困り果てていた。
そう、今日に限って空気が悪いのだ。どんよりと。
その理由など些細な事である。
少女と女性が他愛も無い恒例行事である口喧嘩を開始させ、食事の準備に勤しんでいた少年がその行為を咎める発言をした。
ここまでは良くある光景なのだが、今宵は女性陣ふたりがヒートアップしており、何時もなら従うその少年の言葉も強い口調で一蹴してしまったのである。
何とかそれでもふたりのボルテージを下げようと必死になる少年だったが、何時しか状況は三つ巴と変化していた。
唯一の防波堤であった少年がまさかの戦争へ参加表明を宣言したことにより、事実上この修羅場を抑えられる存在はペンギン一羽だけなのだが、悲しいかな彼の言葉は伝わらない。

「「「・・・・・・いただきます」」」

うっわっ、お通夜でございますか!?という突っ込みがどこからともなく聞こえて来そうなこの雰囲気。
だがペンギン一羽は何故か冷静に、そこはちゃんと言うんですね、と突っ込みを忘れない。葛城家順応の証である。
しかし、順応されようともやはりこの沈黙は戴けない。と言うよりもあってはならないのだ。
どうしたものかと頭を捻るが、既に語ったように言葉が通じないのであるからして手の施しようがないのだ。
ほとほと情けない話ではあるが流れに身を任せることがペンギン一羽に残された最後の手段。

沈黙したまま食事は進む。
味噌汁に手を付ける女性。

「……あ、シンちゃん、お出汁変えた?」
「あっ、マズかったですか?」
「ううん、普段と違うからなんか新鮮だなぁ、と思って。味は何時も通り美味しいわよん」
「良かったぁ、何時ものお味噌じゃなくて今回は―――」
「オホン!」

少女の咳払い。
そうだった今は喧嘩中。
再び沈黙が葛城家を襲う。

839: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2008/02/18(月) 01:58:07 ID:???
「あーーーー! 今日見たいドラマあったんだったぁーーーー! 見逃しちゃったーー!!」
「そうなると思ったから予め僕が録画しておいたよ」
「えっ!? ウソ!? ホント!?」
「録画は男の仕事、なんてね」
「良かったぁー!! さっすがシンジ、だから大す―――」
「ん?」
「ナンデモナイヨ」
「なに、その急な片言は? 何を言いかけたのさ?」
「ナニモナイアルヨ」
「……あからさまに怪しいね……何を言うつもり―――」
「うぉっほん!」

女性からの咳払い、と言う名の助け舟。
そうだった今は喧嘩中。
再び沈黙が葛城家を襲う。

「そうそう、アスカ、聞いた?」
「何を?」
「ほら、オペレーターのハルちゃん、やっと彼とゴールインしたみたいよ」
「うっそー、あれと? あんな優柔不断の男のどこが良いのかしら、趣味わるぅー」
「あと、スイちゃんもやっと彼氏が出来たって」
「あのどん臭い子にぃー!? なんかショックだわ……」
「アスカも負けてらんないわよねぇ~!?」
「そりゃあ、こっちには幾らでもチャンスはあるわけだから―――」
「お、おほん……」

少年からのやるべきかやらざるべきか散々迷った挙句の控え気味な咳払い。
そうだった今は喧嘩中。
もう無意味な気がするが再び沈黙が葛城家を襲う。

840: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2008/02/18(月) 01:59:37 ID:???
「そうだ、今度のお休み、晴れたら何処かドライブに行きましょうか?」
「どうしたんですか、突然?」
「最近お外に出てないなぁ、って思っただけなんだけどね……」
「たまには良いかもね、体動かしたいし」
「あら、だったらバトミントンでもする? 言っとくけど私強いわよ?」
「ほっほー、それはそれは……楽しみね。若さに楯突くその愚かさを存分に後悔することね」
「ふん、経験どころか尻も青い若造に負けるほど老いてないわよ……ふふふ」
「じゃあ、お昼はサンドウイッチにでもしましょうか」

やいのやいのと次の休日の予定を考える三人。
しかし、同時にピタッと会話が止まる。
そうだった、今は喧嘩中。
再び沈黙が―――

「もう、そろそろ良いですかね?」
「そうね、無意味すぎるわ」
「同感、じゃあ『せーの』でね」
「せーの」

「「「ごめんなさい」」」


何とも自然な流れで三人同時に『ごめんなさい』。
そしてその後はまた楽しく談笑を始める三人。
その全てを見ていたペンギン一羽は、自分の心配があまりにも杞憂であったことに気付かされる。
最近の雰囲気でそれは感じ取っていた。
けれど、『あの葛城家』を見ていたペンギン一羽だからこそ、ほんの些細な亀裂から、また『あの葛城家』が蘇ってしまうのではないかと考えてしまう。

841: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2008/02/18(月) 02:01:11 ID:???
「楽しみねぇー、早く日曜になんないかなぁー」
「折角外に出るんですから、飲酒は無しですよ?」
「ねぇねぇ、どうせだし雨天決行ってことにして、雨の時の計画考えない?」

でも、もう大丈夫。きっとじゃない、絶対大丈夫。
この世界はそういうところだから。
きっと三人は幸せになるんだろう。

ペンギン一羽は嬉しそうに一声挙げて、羽をパタパタとバタつかせていた。
そんな夕食時。




そしてペンギン一羽は思う。
私と一緒に住んでいる人達は、不器用で、優しくて、暖かくて。
そんな人達に飼われている自分はなんて幸せなんだろう、と。


そして、今晩のメインである焼き魚を頬張る三人を見て更に思った。




アレ、絶対、わたしの餌だ、と。
そんな葛城家。

844: 月影零 2008/03/02(日) 10:34:11 ID:???
初めまして
皆さんのを見てたら書きたくなったので書かせてもらいますo(≧∀≦)o
設定は
シンジ君が事故に遭い植物人間になってて、それを看病するアスカってのが背景ですm(_ _)m
何分、幼稚な作文じみてますが読んで頂けたら幸です

845: 月影零 2008/03/02(日) 10:39:29 ID:???
僕は病院のベットで寝ている…
どれ位、時間が過ぎたか解らない…


でも、僕の右手に確かに感じる温もり…


それに導かれるようにして

僕は、ここに帰りたいと思った


………いや…………

僕は、願ったんだ

君に、もう一度逢いたかったから………

856: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2008/03/03(月) 23:48:59 ID:7eK7k2q+
>>845
目覚め~シンジside1~


暗闇から抜けるようにして目覚めた僕が目にした物は


真っ白な天井だった…


体中に纏わり付くように取り付けられた

点滴や心電図等のコード類の冷たい感触…


…………でも………

僕の右手だけは温かかった…


僕は、目線を温もりを感じる右手に向けた…


そこに映ったのは、僕の右手を包み込むように握る少女の姿だった


不意に、少女の目線と僕の目線が重なった


少女は碧い瞳を潤ませ、涙を零しながら満面の笑みを浮かべていた

857: 月影零 2008/03/03(月) 23:55:18 ID:???
>>856
目覚め~シンジside2~

少女の満面の笑みは

僕の記憶の奥底にある


夢か現実か分からないけど


赤い瞳の少女が見せた微笑みよりも


遥かに美しいと思えた笑顔だった…


僕は、その笑顔に安らぎを覚えながら


重くなる瞼に抗う事無く

再び、僕は目を閉じた……………………

860: 月影零 2008/03/04(火) 23:59:21 ID:???
>>845
目覚め~アスカside~

ベットで痛々しいくらいに機械類のコードを巻き付けられて眠る少年



ひたすら、少年の手を握る少女…

静寂が支配する空間に

心電図が一定のリズムを刻む音



少年の呼吸機の音と
少女の泣き声を押し殺してるような鳴咽が交差している…

少女は自分が手を握ってあげる事しか出来ないのが歯痒くて仕方なかった…

………何で、私には何も出来ないの?………

自分を責める事しか出来なかった……

861: 月影零 2008/03/05(水) 00:13:52 ID:???
>>860
目覚め~アスカside2~
少女から零れ落ちる冷たい涙…

そんな時

僅かに

ほんの僅かにだけど

少女の握る右手を少年が握り返した


少女は胸から、さっきのとは別の熱い何かが込み上げてきた…

862: 月影零 2008/03/05(水) 00:15:17 ID:???
>>861
目覚め~アスカside2~
少女は少年の顔を見つめた


少年は目を開いて天井を見ていた…

そして…

ゆっくりだけど、少女に目線を移して行った…


少女は嬉しさの余り
熱い涙を頬に伝えながら
自分でも今まで出した事の無い
最高の笑顔を少年に向けた


やがて、少年は安心したのか再び瞼を閉じた…

だけど

少女だけは見ていた
目を閉じて行く時に
少しだけ見せた微笑みの瞬間を…

863: 月影零 2008/03/05(水) 00:22:10 ID:V+P0rbjw
アスカside
書いていたら、めっさグダグダになりましたm(_ _)m
それと
2が重なってますが
下段のが
3になってます



元スレ:https://anime3.5ch.net/test/read.cgi/eva/1136117791/