675: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/16 11:54:01 ID:???
 人間には五感がある。しかしあえて意識しない限り人は視覚以外のことを忘れがちだ。
ものの考える立場のことを観点や視点と言ったり、情報と呼ばれるものは大抵視覚的な
ものであったり、殊に視覚は優遇されている。しかし、いや普段意識されることがない
からこそ、視覚以外の感覚が心に与える影響は大きい。感覚の中で一番記憶を想起させ
やすいのは臭覚であるという。身体的に与えられる痛みや快感の触覚はやはりそれ以外
の感覚が与えるものよりも直接的で強い。
 そんな視覚以外の感覚の中でも影響力の高いものは、聴覚である。聴覚は臨場感に強
く関係している。大画面でもモノラルの音響で映画を見るより、小さな画面でも優れた
音響で見た方が遥かに臨場感が増す。そのため飛び交う銃弾をかいくぐりながら進撃す
る兵士の心境を理解できたり、部屋の右斜め後ろの隅に潜む息づかいに恐怖できたりす
る。目を閉ざせば遮断できる視覚とは違い、聴覚はどんな手段を行使しても、僅かな隙
を見つけ入り込んでくる。そして染みこむように心を侵してゆく。


 四つある扉の内、一つだけ閉ざされた扉の前にアスカは立っていた。白黒ツートンに
統一されたスーツ姿。それは同じだが、先ほどまでのサングラスではなく銀の細い禄の
眼鏡に変わっている。少し冷たい笑みを浮かべた表情と相まって、定番ではあるが理知
的な印象が強く出ている。先ほどまでと雰囲気が少し違うのは、右手に大きな荷物を持っ
ているからということもあるだろう。専門店名のロゴが入った袋を幾つか握り、左手に
は何か小箱のようなものを持っている。息を大きく吸うと表情を緩ませる。
「しんちゃんっ、かえってきたよぉ。ただいまぁって」
 冷笑を含んでいた先ほどとは異なり、今は満面の笑みだ。
 返事が無い。表情が消えるアスカ。小箱を右の小脇に挟み換え、ノックをしようとし
たところで、気付く。それは扉一枚超えた向こうから漏れてくる荒い吐息とすすり泣き
だった。そのわけの分からない組み合わせにアスカは再び頬をゆるませると、
「どうしたの? かえってくるのが、遅かった? 」
 アスカがここを出てからもう三十分近くたっていた。

676: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/16 11:55:02 ID:???
「……おねぇさま…。…違うんです。私…、私どうしたら良いのか……」
 微かに、絞り出すように、しかしすっかりと女言葉が板に付いているシンジの声が答
える。鼻をすすり上げる間隔が早くなるが、アスカには気にした様子はない。
「まあ、いいから。それは今からじっくり聞いてあげるわ。だから早くここ開けてくれ
ない? こんな所で突っ立ってるのも、いい加減疲れるんだけどぉ」
 無言のままカチャリという音がし、扉の端中央にある鍵の表示が赤から白になる。扉
には開くように力が働いているので、何もせずとも自然と開いて行く。便座に腰掛けた
女の子、つまりシンジが右半身から順にその姿を見せる。手を膝につけ俯き、身を固め
るように小さくなっている。扉が開ききり、アスカが一歩進むことで、その脚がシンジ
の視界に入る。シンジはアスカの体をなぞるようにゆっくりと顔を上げ、その赤く腫ら
した瞳をアスカに向ける。
「……アスカ、ぼくは…」
 アスカは視線をしっかり受け止め、言葉はきっぱりと遮る。
「おねえさま、ね。まあそれは追々。それにしても、すごいわね」
 荷物を個室の脇に置き、その中を見渡しながらアスカはつぶやく。何がすごいのか、
それはこの個室に来れば分かる。床に散らばる丸まったちり紙、そしてむせかえるほど
に充満するこの
「すごい臭い。それに熱気も異常よね。眼鏡が曇っちゃうわ」
 眼鏡を取り、胸ポケットへかける。シンジの瞳をのぞき込み、そしてその体を見極め
るように視線を巡らす。案の定、一点で止まり、その目の前にしゃがみ込む。
「…原因はぁー、ここかなっ? 」

677: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/16 11:56:06 ID:???
 シンジの手が抑えていたスカートの辺を掴み、無理矢理捲り上げる。そこから出てき
たのは予想通り、いきり立つようにアスカに向かって伸びているシンジのペニスだった。
スカートを動かして刺激が伝わったのか一度大きくぶるんと震え、その先端とスカート
の布地の間にはねっとりと粘液の糸が引かれている。その糸が切れても先端からは次か
ら次へと粘液がにじみ出ている。ペニスの根本付近にはアスカが嵌めた黒い帯のような
ものが着いており、その戒めがあるためにシンジは射精することは出来なかったはずで
ある。アスカはその輪っかに触れ、なぞる。その熱と鼓動を感じる。先端に達した指先
でとろとろとにじみ出る液体をかき混ぜる。
「わー、すっっっっごいぬるぬるね。はずした様子もないし、ちゃんと機能してるっぽ
いけど…」
 そう云っている間にも先端から溢れた雫が、下に滴れ落ちてゆく。目を閉じ眉根を寄
せながら、シンジはだらしない声を出す。
「…せ、精液は通れないみたい…です。何度か出そうになって、出ちゃった感じもある
んだけど、出てこないんです。でも、ぬるぬるは出てなさそうでもいっぱい出てきて。
拭っても拭っても止まらなくて。……辛い、です。ずっと気持ちいいのが続く…けど、
気持ちよくないんです。ああっ。お腹の方に何か溜まってゆくみたいで……。おねえ
さま、切ないん…です。ぅうっ、く」
 カツラを被ったシンジが頬を染めながら答える。何を言ってるか分からないけど、何
となく何を言ってるのか分かった、と言う表情でアスカは頷く。そのアスカの見ている
前で、ペニスがびくびくと反応する。だらしなく伸縮していた陰嚢が急激に収縮する。
カウパーがペニスの動きに併せてさらにだらだらと流れ出すが、確かに精液は出ない。
上を見ると、シンジがしかめ面を浮かべている。どうやら射精したのだが、本当に精液
そのものは出てこないようだった。『しかし今、シンジあわよくば私の顔にぶっかけよ
うとしたって事? もし出されたら直撃だったわ。声くらいかけられるはずなのに、と
いうことはわざと、か? 』 そんな疑問も浮かんだが、
「まあそれはいいわ」

678: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/16 11:57:25 ID:???
 微笑む。指先でいじるのを止め粘液をすくい取り、人差し指と親指で弄ぶ。にぱにぱ
と糸が引かれる
「…問題は、なんでこんなにぬるぬるかって事よね。まさかこれ嵌めてるだけで勝手に
出てくるってモンでも、ないでしょう? なんかあんたが、気持ちいいことを想像でき
るようなことがあったのよね。取敢えず、私がいなかった、三十分くらいの間に何があっ
たか話なさい」
 シンジは俯いていたから見ていなかったが、このときアスカの瞳の奥が少し光った。
アスカは知っているのだ。シンジが持たされていたバッグの奥にはマイクつきの発信器
があり、逐一送られてくるその音声をアスカはイヤホンで聴いていたのだから。立ち上
がってアスカはシンジに顔を寄せる。
「何があって、こんなにしちゃったの? しんちゃん、おしえて? 」
 諭すようにやさしく囁くアスカ。シンジは弱々しくだがうなずき、答え始める。
「…おねぇさまが外に行って、ぼーっとしてちゃ駄目だって、おねぇさまが言ったみた
いに体をきれいにしなきゃって、体を拭いて。髪を洗ってたら、男の人が入ってきて、
私は見られちゃ駄目だと思ったからここに逃げてきて…」
「それで? 」
 要領を得ないが、重要なところではないので先を促す。アスカの頬は僅かに紅潮し始
める。『良いわよ。さあ早く語りなさい……』
「…閉じこもってたら私が女の子じゃないってばれて、でも何かやっぱり女の子だって
勘違いして、警察呼ぶぞって脅されて、怖かったら、女の人が入ってきて、男の人は出
て行って…」
「ちょ、ちょーっとまって?! 」
 淡々と進むから、危うく気付かないところだったが、
「その、その男に何かされなかったの? いやなこと言われたりとか? 」
 あれだけ激しく言葉を浴びせられたというのに。『何も感じなかったのか? 』 ア
スカに焦りが浮かぶ。
「それは、いろいろいやなこととかは言われて、怖いって…思って…」
「何か言われたのね。何を言われたの? 」

679: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/16 11:58:26 ID:???
 アスカはかぶりつくようにして尋ねる。『そこが確信なよっ』 シンジは言いにくそ
うに目を伏せる。
「私を、女の子だって勘違いしてたから、……犯してやる、とか、そう云うエッチなこ
とを、言ってきたけど……」
 表情は変えないがアスカはこみ上げてくる笑みをかみ殺す。『そうそう、そう云う事
よ。やればできるじゃない。私は信じてたわ』 アスカはいったん平静を取り戻すため、
深呼吸を入れる。少し深刻な雰囲気がでた。
「それで? それでその男にそんなこと言われて、こんな風にしちゃってるの? こん
な風にどろどろとろとろなっちゃったの? 男に犯されて、ドロドロに汚されてる自分
を想像して、こんなに勃起させちゃってるんでしょ? ほらっ、本当のこと言いなさい
よっ」
 やっと確信に到達した。『さあ、ここからたたみかけてあげるわよ、シンジ』 しか
しそんなアスカの思いをよそに、シンジはきょとんとした表情になる。
「…そんな訳ないじゃないか…ですよ。……私は、女の子じゃないのに…んですから」
「…へ? 」
 あれ? あきらかに拍子抜けな、気も抜けた声を出すアスカ。
「でもあんたさっきは、男達に見られて興奮してたじゃない」
「あれは、おねえさまがああ云う言い方をするのが…」
 つまり、アスカが言葉で攻めている、と言うことが重要だった、と言うことか。
「あんな男にそんなこと言われたって、どうだって良いんです。……私がそう云う事し
たいって思うのは、……お姉さまだけ…ですから…」
 シンジは、きゃっ、と顔を覆う。しぐさは確かに可愛いが。アスカの思惑とははずれ
てゆくし『ちんちん丸出しでそんなことを言われても……』 そんな感慨が浮かぶ。し
かし意外な方向からの攻撃に、アスカは確かに動揺していた。それでも平静を装い、シ
ンジに問う。
「…じゃ、じゃあ、なんでこんな事になってるの? あんたのここは? どうしてこん
なにしちゃってるの? 」

680: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/16 11:59:24 ID:???
 せっかくの告白を流されたことで、シンジの顔に少し影が差すが、それでもけなげに
答える。
「…男と入れ替わりに、女の人達が入ってきたんだけど、その内の一人が実は男の人だっ
たんです。外は見れなかったから女の人だと思ったんだけど。それでその人たちが、隣
の個室で……」
 シンジはさらに顔を赤くして言葉を止める。アスカの動揺は続く。『清掃夫の件で十
分だと思っていたから、そこまではモニターしていなかった』 その状況から察るに、
その女達はトイレでいたし始めたのだろう。そしてその痴態を間近で実感し、シンジは
こんな状態に陥ってしまった、と言うことなのだろう。トイレでする、と言う異常性は
あるけど、『シンジがどうこうされて陥ってる状況じゃないから、これじゃ意味がない
のよね』 アスカの思いをよそにシンジはまだ続けている。
「…それで女の人、気持ちよさそうな声、…出して……」
 シンジはちらりとアスカを見る。それに気付いて、アスカも見返す。シンジはいった
ん視線をはずすが、もう一度アスカを見据える。
「アスカ、…ぼく達もそろそろ……」
「うるさい!! 良いのよ、よそはよそ、私たちは私たち、ょ。良いじゃない、あんな
事しなくたって気持ちいいんだもの。ほら、あんただって、あんな事しなくても気持ち
よくなってるでしょ? こんなものさらけ出してタラタラ流してるじゃない。気持ちい
いんでしょ? 気持ちいいからこんなにしてるんでしょ? あんただって無理にしなく
たっていいって言ってたじゃない。ならいいじゃない!! 」
 言い切って肩で息をするアスカ。シンジは眉根を寄せ、哀しそうな顔で俯く。沈黙が
降りる。アスカは奇妙に顔を歪ませ、考える。しばらくしてシンジの方が先に沈黙を破っ
た。
「…ごめん、なさい。………おねえさま…」
 その仕草を見ながらアスカは暫く下唇をかんでいたが、
「……良いのよ、……私は気にしないから………」
 そんなことではないと分かっている。悪いのは自分である、と。それでもアスカは、
「…それはそうと、早く支度しないと、映画に遅れちゃうわ。チケットは買ってきたか
ら。……もうっ、何時まで俯いてんのよっ」

681: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/16 12:00:45 ID:???
 アスカはシンジの俯き続ける顔を、その両頬を挟み自分と向かい合わせる。やや驚い
た色を含む瞳。その瞳いっぱいにアスカが広がる。
「! ……んふぅっ、ん、ん、ふぅん」
 突然口をふさがれたシンジの、鼻から漏れる音だけが響く。絡み合う音。アスカは手
をシンジの肩に回す。シンジの脚をまたぎその上に座る。ずっと硬直していたシンジの
手が、ぎこちなくアスカの腰に回る。ギコチのない動きのままゆっくりとアスカの背を
這い昇る。アスカは口を離す。2人の間にかかった糸がゆっくりと伸び、切れる。シン
ジの唇はアスカを求めて蠢いている。
「ごめんね、シンジ。シンジが嫌いな訳じゃないんだ。でも、今は、…だめ。やっぱり
だめなんだ。ごめん。やっぱり、怖い…」
 何か理由があるわけではない。ただ、怖いのだ。
「だから、いつかしよう。ごめん、こんなことしか言えなくて。シンジは、私の言うこ
と聞いて、くれるのにね。……だから、いつかは私も」
 アスカも俯く。シンジの回した腕に力が入る。俯いたまま、アスカは微笑む。
「…ありが…と。……ねぇ、着替えよっか。こんなにベトベトな服じゃぁ、人前出られ
ないでしょ? ……あんたに似合いそうなの買ってきたげたから。ほらぁ、何時までも
ぼーっとしてないで脱ぎなさいよ。もう、手ぇどかしてくれなきゃ、私どけないでしょ。
……そう云えば、あんた口の中乾いてたわよ? お茶ならあるわ。飲みたい? 」
 シンジは頷く。抱きつかれたままアスカは脇に除けてあった袋の中からペットボトル
を取り出す。シンジの背中側でその蓋をはずしそれをシンジに手渡し、はせず、左手で
作ったお椀の中に注ぐ。
「飲んで良いわよ」
 シンジは薄く微笑むとそれを飲み、残ったものを舐め取り始める。ぴちゃぴちゃとい
う水音の後、さりさりとアスカの手のひらを舐める音。もう舐めとれなくなると、シン
ジはアスカを見つめる。
「もっとぉ、欲しい? 」
 シンジが頷くのを見る前にアスカはお茶を口に含む。意図を解したシンジが口を開い
てアスカの下にまわる。アスカは口を窄めるとシンジの口めがけて含まれたお茶を注ぐ。
チャピチャピと舌に当たり、大量にこぼしながらも、シンジは嚥下してゆく。

682: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/16 12:01:28 ID:???
「もういいかしら? それじゃ、早く脱いで脱いで。後二十分で始まるわ」
 シンジはずっとはい、はい、と頷くだけで、なんの言葉もださなかった。上着を脱げ、
とかブラをはずせ、とかの私の指示に従って裸になって行くシンジ。こうやって裸を見
てしまえば多少華奢だが、やはり男にしか見えない。スカートをはずし、ショーツも抜
き取る。完全に全裸だ。よく言えば中性的だが、男らしくも女らしくもないという意味
では、性的な魅力がないといえる。コックサックで常に勃起状態のペニスにしたところ
で、考えられないほど巨大だとか言うこともなく、かといって見えないほど小さな訳で
もない。何故か前を隠している。
「何隠してるのよ。散々スカートめくられても恥ずかしがってなかったじゃないの」
「やっぱり、裸は…恥ずかしいです…」
 よく分からない感覚だが、服を脱ぐと女の子だという思いこみができなるなるわけだ
から、客観的になってしまって、恥ずかしいのかも知れない。取敢えず納得してアスカ
はごそごそと買い物袋を漁り、中身を広げてはシンジに渡してゆく。それを従順に着て
ゆくシンジ。朝の段階では何度か抵抗を試みたが、今回はなんの引っかかりも感じない
ようだ。可愛いレースの入ったパンツや、パットの入ったブラを難なく着用してゆく。
『初めて着けたのが二時間くらい前のことなのに…。末恐ろしいわ』 ブラのホックを
付け、それをぐるぐる回して正しい位置に着用する。手慣れたものだ。アスカは横目で
見ながら、大きな袋から取り出す。
「ちょっと暑いかも知れないけどね、これならあんたの股間のふくらみも分かりにくく
なるでしょう? 」
 そう云ってアスカが手渡したのは、フリフリのフリルの付いたフリルスカートだった。
確かにこれなら体のラインは多少ごまかせるが、違った意味で外に出られなくなるので
はないだろうか。しかしシンジにはそんな思いなど浮かばないようだった。少し頬を染
めながら、

「可愛い…」

683: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/16 12:02:34 ID:???
と言ってのけた。アスカがさらに手渡したのはこれまたフリフの付いたノースリーブの
ブラウス。それにアームウォーマーとオーバーニーソックス。完全に男らしさとは真逆
を行く志向の服装の数々だ。しかしシンジが多少抵抗することも考えてのチョイスだっ
たのだが、まるで当然の日課のごとく着こなしてゆくシンジに、さすがにアスカもシン
ジというものを量りかねている。パンプスもブーツに履き替えている。着用が完了し、
立ち上がるシンジ。もともとシンジの方が背が高いが、ブーツの精でその身長差はさら
に強調されている。ブラウスの黒とカラーの白、スカートの黒が、ある種アスカのスー
ツと対をなしていて、本気のカップル、と言う様相を呈している。
 新しく仕入れたストレートロングヘアのカツラを着用し、シンジは洗面台の前に立つ。
先ほどの服装以上に、女にしか見えない。素顔はさすがにきついのでファンデーション
をし、口紅を引いたが、それも僅かですむほど、シンジはしっくりと嵌っている。アス
カは尋ねる。
「………どうですか? お客さん…」
 シンジは頬を染めるだけ。今回もカツラ止めとして使用したIFが、服装全体の色調
と合い、何ともはまりこんでいる。『気に入った……みたいね。それにしてもこれほど
までに嵌っちゃって良いのかしら。まぁ、いいのかもね。可愛いし…』 シンジも満足
したようなので、必要なものだけ入れたバッグにいれ、
「まぁ、じゃあいこうかしら。それにしてもさっきのやつ以上に男の目を引きそうね。
ま、それももう、関係ないみたいだけど…」
 アスカは口の端を上げて、横目でシンジを見る。少し耳が赤らんでいる。2人は脱い
だ後の服やシンジが体を拭いたタオルなどはそのままに、トイレを後にした。
 アスカが前もって買っておいたチケットで、映画館に入る。ロビーをうろうろしてい
るような連中の視線が好奇の色を含んで2人に注がれる。そのうち大半はシンジの服装
へと関心があるようだ。それらを気にせず、風を切るように進む2人。
「どう? さっきと比べて」
 アスカはシンジに感想を求める。
「なんか、ふわふわします。あたまがぴりぴり…しちゃう」

684: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/16 12:03:42 ID:???
 上映前の劇場のほぼ中央に並んで座る。上映五分前だが人はまばらで、何故か男の比
率が多かった。シンジはなんの映画を見るか知らない。
「ねぇ、おねえさま、今から何を見るんですか? 」
 アスカはバッグを漁っている。中から幾つかものを取り出すと、
「あぁ、シンジは、見ないわよ」
「? 」
「あんたは、これ聞いてなきゃ」
 そう云って折りたたみ式のヘッドフォンを取り出し、シンジの耳に付ける。そしてずっ
と小脇に抱えていた箱から、SDATのプレイヤーを取り出し、カセットを挿入する。
「後は、っと」
 上着を脱いでいたアスカはネクタイに手をかけ、それを解く。シンジの方を向き、ほ
どけたネクタイを頭、目に巻く。
「ちょっ、おねえさま、これじゃ、何も見えなくなっちゃいますよっ」
「それでいいのよ、見えなくさせるんだから」
 映画館で目隠しをし、ヘッドフォンを着けている。あきらかにおかしな組み合わせだ。
落ち着かないシンジをアスカは引き寄せ、左耳のヘッドフォンをはずして囁く。
「あんた、やっぱり私とシたいんでしょ? だったらやらせてあげるわ、今から二時間
じっくりとね。二時間の間なら私を、好きにしても良いのよ」
「! そんな…いい、んですか」
「たぁーだぁーしっよ。あんたが自由にして良いのは、あんたのここの中のアタシ」
 そう云ってアスカはシンジの頭を軽くこづく。笑みを浮かべ、
「わかった? でも、なんにもおかずがないのに、そう云うのは結構たいへんだと思う
から、これよ」
 今度はヘッドフォンを叩く。
「このカセットの中には、昨日のあたし達の声が入ってるわ」
 昨日は、お互いのことをよく知ろう、をテーマに互いの体をまさぐりあったのだった。
アスカがどうしても嫌がる、いわゆる本番以外は大体全て試した。お互いの性器を口で
攻めたり、耳や、胸、へそ、脚、そう云った箇所への愛撫で、相手の性感帯を探ったり、
開発したり。相当に濃い、事を一日中やっていた。

685: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/16 12:04:57 ID:???
「ただ、そのままじゃだれちゃうからね。私のオリジナル抜粋版よ。ディレクターズカッ
ト、ッてわけね」
 シンジには見えないが、劇場が暗くなる。上映が始まる。
「じゃあ、お楽しみに。あんまり無茶なことは、…しないでね」
 SDATの再生ボタンが押される。

 真っ暗な空間の中に、一人の少女が横たわっている。黒と白のモノトーン調に統一さ
れた衣装に身を包んでいる少女の黒いノースリーブのブラウスは、鎖骨が露わになるほ
どたくし上げられており、その僅かに桜色を帯びた白い胸とのコントラストは、目にい
たい。白いスカートからすらりと伸びた、やはり白い脚。膝の上まである黒いソックス
との対比で映える。栗色のしなやかな髪を乱れさせ、その中にやはり白い顔が浮かんで
いる。その瞳は焦点を結んでおらず、恍惚の色に蕩けている。
 脚を拡げられ、スカートをたくし上げられる。が、少女は抵抗しない。無防備にひら
かれたその間に人が割り込んでいる。その人間の股間から生えたモノが、少女を貫く。
少女は表情をほころばせ、得も言われぬ充満感に満たされた、甘い声を出す。少女を貫
く者が動くたびに少女の体は揺すられ、半開きになった口からは甘い、とろけそうな桃
色をした吐息が漏れる。少女の透き通るように白い顔には、やはり蕩けるように甘い表
情が満面に浮かんでいる。少女が声を上げる度に、少女は世界に溶けてゆく。それに併
せて男の動きが激しさを増してゆく。

686: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/16 12:05:37 ID:???

「ンあっ、………あ、あ、あ、あっ」
 シンジの耳もとで、その腰使いにあわせて鳴く声がある。意志とは関係なく績がれる
声。アスカの声。それをかみしめるようにシンジは動く。激しくなるシンジの動き。そ
れにつられアスカの声も、高く、切羽詰まってゆく。もうまもなくで、絶頂に至る、と
言うところで、急にアスカの姿が消えてしまう。
「シンジ、声が漏れちゃってるわよ」
 世界の外からアスカの声がする。生で、実体を持った声。それがヘッドフォンからの
アスカの嬌声と被る。暗闇の中に、もう一度少女が現れる。
「シンジ、たっぷり犯してあげる。すり切れるくらいオマンコほじくって、息がザーメ
ン臭くなるまで飲ませてあげる。体中で白くないところがないほどぶっかけてあげる」
 シンジのペニスがしごかれる。アスカの右手がスカートの上からシンジをまさぐる。
「どう? きもちいいでしょ? 」 
 シンジの股の中心にねらいをつけ、アスカはゆっくりと腰をつきだす。シンジに深々
とその怒張を突き立てたアスカは、シンジの中をかき回し始める。
「あーーーーーっ。あっ、あああんあぁ。はぁっ」
 ただ一度こすり上げられただけで、シンジは射精しそうになる。いや、完全に射精し
まったのだが、何故か射精感はえられない。休むことなく送られ続ける快感。
「どう? きもちいいでしょ? オマンコこすり上げられちゃって、そんなハシタナイ
声出してるんだものね。良いわ、良い声。可愛いわよ、シンジ。もっと、もっと気持ち
よくしたげる。私で満たしてあげる。シンジは、シンジの体も、心も私のモノよ」
 左右からアスカが現れる。アームウォーマー越しにも分かるほど熱くなり、堅くなっ
たアスカのモノ。
「ああっ、おねえさまっ。んあっ。私がっ、あんっ、私が気持ちよくさせて……あげま
すっ」
 2人のアスカのモノを交互に口に含み、舐め上げ、しごき上げる。
「あらあら、まだ途中だって言うのに、皆席立ち始めちゃったわね」

687: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/16 12:06:24 ID:???
 アスカの攻めは先端部分に集中し始める。三枚越しの布を通り抜け、シンジの分泌液
がアスカの指を濡らしてゆく。その指を舐め、シンジの肛門に挿入するアスカ。シンジ
を激しく突き上げながら、その腸も蹂躙してゆく。右側にいたアスカに限界が迫る。シ
ンジが丹念に舐めるとアスカは痙攣するように短く腰を震わせると、その先端から大量
の精を吐き出す。顔に胸に腕に、シンジの体を覆い尽くすようにまぶされる。左のアス
カがシンジの頭を掴み、その口に無理矢理押し入れる。のどの奥を激しくつかれ、吐き
気がこみ上げるが何とかこらえる。シンジを突き上げ続けたアスカにも、限界が迫る。
一気にそのペースを上げ、シンジの中を掻き出し、つき入れ、シンジに絶え間ない衝撃
を与え続ける。そして口と膣を蹂躙し続けた二つのペニスは、同時に膨らみ、シンジの
内側の奥の奥へ白濁を注ぐ。下半身から上半身へ、体中の皮膚が粟立ち、神経に電撃が
走り、意識までもを真っ白に染め上げてゆくアスカ。そのあまりの快感にシンジは気を
失った。

 シンジは、全身を包むけだるさの中、目を覚ました。眩しい、と言ういほどではない
が、劇場が光で満たされている。
「おねえ、さま……」
 シンジの目隠しはすでに取り去られ、ヘッドフォンもかかってはいなかった。左隣を
見たシンジは、シンジを見つめて微笑んでいるアスカを見つける。
「変態」
 アスカは端的に感想を述べる。
「すごいいきっぷりだったわね。十分くらい痙攣が止まらないからちょっと怖かったわ
よ。それにしてもシンジ、あんたは私を犯したの? それとも、私に犯されたの? 」
 若しもシンジが声を出して悶えていたのであれば、それは聞かなくても分かるはずだ。
アスカの笑みがいたづらっぽさを含んでいることを見れば、答えなど聞く必要はないの
だろう。
「続きを、したい? 私に、犯されたい? 」
 シンジは、



続く。

712: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/20 05:11:07 ID:???
「…あっああ、くぅ……。…んあっ」
 シンジはソファに倒れ込む。ただそれだけで体中に走ってしまう刺激に耐えながら。
前傾する、しゃがむ、脚を上げる、腰を曲げる。たったそれだけの行為が腰に巻き付い
たスカートの布地を動かし、結果シンジの神経を舐る。さらにそれを耐え、悶えること
で体は震え、刺激は跡切れることなくシンジに押し寄せる。
「あ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っ~~~~」
 ソファの上で捩れ、震え、弓なりになるシンジ。『夢の永久機関ね。傍から見ればた
だのバカ、だけど』 アスカは冷めた目でそれを見る。しかし口が開き、顔を少し赤ら
めている。それに気付いたのか、頬を手に当てるとシンジの方を見ずに、
「とりあえずっ、今日のまとめ、ね」

713: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/20 05:11:53 ID:???
 自室から持ってきたノート型PCをダイニングテーブルの上に拡げ、起動させる。くゅ
ーん、と言う電子機器独特の音と、あ゛、あっ、と言うシンジの喘ぎ声だけが部屋に響
いている。ソファのシンジ越しに、窓の外を見やるアスカ。まだ日は高いが、日差しは
勢いを弱めつつあり、何となく気怠い昼下がり、だ。蝉時雨が遠く聞こえる。今その中
を歩いて帰ってきたのだ。その道中は難儀なモノで、クソ暑い中スーツにネクタイ、と
言うこともあったが、それよりも何よりもシンジがひどかった。。劇場を出た直後は足
取りこそ覚束なかったものの、まだ意識と意志がはっきりとしていてまともであった。
でも劇場の入ったビルを出て突き抜けた日差しを浴びて、何か大事なモノが融けてしまっ
たのかも知れない。ぬるぬるでとろとろのモノがフルフルでひらひらのモノと化学反応
を起こしてシンジはおかしくなってしまった。十歩進んではその場にへたり込み、二三
分悶えたあとまた立ち上がり十歩進んでへたり込む。正直こちらもその様を見て、劇場
で得られた何となく浮ついた気分を溶かされてしまったようで、その場にシンジを置い
てとっとと帰ってしまいたかったのだけど、さすがにそれはシャレにならなさそうだっ
たので、シンジに暫く付き添いながら帰り道を歩いていた。半分腰の抜けた、まるでア
ヒルみたいな歩き方のシンジは、男のくせにふわふわふるるな衣装を身にまとい、やっ
ぱり男のくせに振り乱れた長い黒髪の中に白い顔を浮かばせて、頬と耳を赤くしながら
濡れた唇から桃色の息を吐いていた。その扇情的な様に通行人達は男女問わずに視線を
送ってきていた。
 アスカが思い耽っている内に、シンジはソファの上で動かなくなっている。正確には
ぴくびくと軽い痙攣をしているのだけど。
 バッグの中から何か黒い固まりを取りだし、それをPCと接続させる。コマンドを打
ち込むと画面が切り替わる。ディスプレイが上下に分割され、赤と青に塗り分けられる。
さらにコマンドを入力するとそれぞれに折れ線が走る。描画が終ると、右肩に表示され
た数値を見、アスカはにやける。ソファに横たわるシンジに向き返り、その様子をうか
がう。ソファ越しに見える紅潮した横顔に、アスカは先ほどとは違う、悪戯っぽい笑み
を浮かべる。

714: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/20 05:12:40 ID:???
「シンジぃ、きょうは私の勝ちっぽいわ。私が38に対して、シンジは397。大体一
回分が10だから、シンジ40回もいっちゃったのね」
 今日一日、シンジとアスカの2人がインターフェイス・ヘッドセッタを着けていたの
はただ髪を留める、と言う目的のためではない。IFの本来の使用目的は、プラグスー
ツによる神経接続の補助である。これ単品では完全な神経の接続は出来ないが、脳波を
モニタリングするよりは適確に、脳神経の状態を知ることができる。その機能を使い2
人の感覚を記録していたのだ。正確に言うならばどれだけ快感が脳内を駆けめぐったか、
をである。その記録が折れ線グラフとしてPCの画面に浮かんでいる。シンジの自慰を
始めてから射精するまでを一つのサンプルとしてその間に脳内に巡る反応を10として
数値化する。つまり今回の結果を分析すれば、シンジは通常の40回分の快感を得てい
たことになる。それはつまり『あんなバカになっちゃってもしかたないわよねー』 と
言うことだ。
 アスカはPCを持つとソファに歩み寄り、それを床に置く。弱々しい息のシンジが、
目だけでアスカを見あげる。熱っぽい、潤んだ瞳で
「……おねえさま。…もう」
 PCの画面上で地を這っていたシンジのグラフがぴくりと首をもたげる。それを横目
で見て鼻から息を漏らすアスカ。
「ふふん」
 シンジの耳もとへ顔を近づける。
「したい? 」
 シンジの頸がビクビクと震える。それを満足そうに見つめると、アスカは口をとがら
せ、息を吹き出す。シンジの体がびくんと反応し、画面の線もぴくんと折れ曲がる。
「じゃ、行くわよ? 」

715: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/20 05:13:27 ID:???
 シンジは堅く目を閉じている。アスカは左手をシンジのスカートに伸ばす。スカート
の布地に触れようかと言うところで手を止め、そのままさらに手を伸ばす。シンジのグ
ラフはドンドン上昇する。シンジの足を覆うオーバーニーソックスとスカートの間、そ
の僅かに肌を露出させたそこにアスカは手を滑り込ませる。シンジのモノが大きくなり、
それに引っ張られてスカートが僅かに、自然に捲り上げられてゆく。アスカはその様子
を見ながら、左指先を動かしソックスと脚の間にさらに侵入して行く。膝をなぞり、す
ねへと、ソックスの張力による抵抗を押さえつけながらさらに進む。アスカは重心をず
らしながら、今度は右手をスカートへやる。出来るだけ引っかからないようにそれを慎
重にめくる。ソックスは左手に引っ張られてもうシンジの踝まで下ろされている。アス
カはそこまで下ろせば満足、と言った様子で左手を戻す。右手で慎重にめくられていた
スカートの中からアスカの目当てのモノが姿を見せる。完全にめくり上げると、アスカ
はさらに重心をずらし、左手でシンジの足下へと移動して行く。シンジの腰の位置で止
まる。アスカは首を伸ばし、その根本を締め付けられているシンジのそそり立ちモノに
顔を近づける。アスカの顔の移動に伴って、その肩から流れ落ちた三筋のアスカの髪が
シンジの肌をなぞる。その刺激にぶるんと反応するシンジ。グラフもまた、さらに上昇
を続ける。アスカは下で唇を一周、舐める。
「シンジはどうして欲しい? 」
 そう云って口を窄め、息を吹きかける。さっきより激しくビクつくシンジ。シンジは
口を魚みたいにぱくぱくさせ、勝手に吐き出されてしまう息を、少しでも吸い戻そうと
する。ソファに爪を立てながら、悶える。
「…お、ねぇさまの……すきにっ。っあ」
 シンジが言葉をはき出し終える前にアスカはシンジの腰に唇を付ける。アスカの前髪
がシンジの先端を撫でる。アスカはシンジの腰骨の出っ張りを舌で丸く囲み、そのまま
キスを続けながら脚へを向かって行く。その動きの度に前髪はしなやかに動き、シンジ
を弄る。
「……………!!!!! 」

716: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/20 05:14:20 ID:???
 息が止まり、体が硬直し、ソファをひっかき、シンジが震える。アスカは続ける。太
腿に吸い付き、舌を出し内側に向かう。頭が動き、つられて髪が、三度シンジに触れる。
今度はまとめ上げられた後ろ髪がそのものを包んでしまう。軟らかく、さらさらと。も
も肉の弾力を唇で味わっていたアスカの目の前で、シンジの陰嚢がいったん膨らみ、急
激に引き上げられて行く。陰茎全体がビクビクと震える、が何もでない。その動きを髪
で感じながら、アスカは自分の上着のボタンをはずして行く。布ずれるごそごそという
音と、アスカの立てる水音、シンジの口から漏れる息、爪でソファをひっかく音。
 シンジは声を上げる。
「ぉねえさまっ。……とって…ください。も…う、もうっ、…もう限界、です。これっ、
これはずしてくださいッ。もう。せつなくて、せつ、なくて。これ以上は、私はっ。も
うだめです。くるっちゃいます。せつなくて、かなしくて、きもちわるくて、ああああ。
おねぇさまっ。おねいさまぁあっ」
 アスカは上から三つ目のボタンで、手を止める。暫く視線を固定して、首を上げたシ
ンジに目をやる。髪と、ペニス越しに見えるシンジの顔が見える。惚けたような瞳。ア
スカのグラフが上に向かってカクンと折れ曲がる。アスカは見ていない。
 アスカは顔を離すと、背筋を伸ばしてシンジを見下ろす。
「はずし、たいの? 」
 シンジはゆっくり頷く。アスカは右唇を上げて、シンジがこれ、と呼ぶモノに触れる。
「でもいったわよね? これなしで私を満足させるって」
 右手で髪をかき上げる。ぬるりとしたものが指に絡む。シンジはまた頷いている。右
手をシンジの脚で拭う。シンジを見つめたまま膝で立ち、ソファに脚をかける。手をシ
ンジに乗せ、一気にシンジに跨がる。
「それにあんたは、今女の子なの。分かってるわよね? 」

717: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/20 05:15:06 ID:???
 アスカの両手が、シンジのブラウスに潜り込む。体重をかけながら、ゆっくりと忍び
込ませる。そうして重心を前にしていくと、下腹部に何か当たる。それでも気にせず、
両手を滑らせる。シンジは口をだらしなく開き、アスカの行動を見守る。手のひらのシ
ンジの肌の温かさと、手の甲のブラウスのひんやりとした肌触り。それ以外の感触が、
指先に触れる。それを乗り越えて、シンジの鎖骨に触れると、それを何となくなぞる。
「あっ」
 シンジが短く息を漏らすのを見ると、アスカは腕全体でブラウスを捲り上げて行く。
その下から、本来ならば必要のないブラジャーを巻き付けているシンジの胸元が露わに
なる。
「ほらね。こんなモノ、女の子じゃなければ、変態くらいしか着けてないわ」
 比較的シンプルなレース模様のそれをなぞるアスカ。
「でもやっぱり、こんなモノ股間にはやしてるのなんて、変態さんかなぁ? 」
 右手をシンジの股間に持って行く。そして触れ、
「ほら、ぬるぬる。やっぱり、変態さんね。変態さんなら、女の子なのにこんなのが生
えてても、しょうがないわね」
 アスカはブラジャーの上からシンジの胸を揉む。シンジのカウパーで濡れた左手で、
ペニスを撫でる。さらに先端から吐き出される液体を拭い、シンジの口に持って行く。
「ほら、変態さんなら、舐められるわよね」
 シンジが躊っている隙きに、アスカは右手をブラの下に潜らせる。脚の上に跨がって
いたのを、さらに前に進む。シンジのを股間で擦り上げる。
「ああっ」
 シンジが情けない声を上げたところで左指を口の中に押し込む。シンジはアスカを見
あげる。アスカは顎で促す。シンジは銜えたアスカの指に、舌を絡める。指先と言わず
シンジのモノにまみれた指を、しゃぶる。アスカは笑う。
「ふふ。やっぱり、変態」
 アスカは床のPCを見る。シンジのグラフは徐々にあがっていっている。『さすがシ
ンジ』 アスカは自分のものも見る。僅かにあがってる。『……まぁこんなことしてる
んなら、当然よね。シンジを見てれば…当然、ね』 アスカは納得する。

718: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/20 05:16:03 ID:???
 左手を舐めさせながら、アスカは右手でブラを押し上げる。何もない、ただ白い胸板
が現れる。右手の親指で乳首の回りをなぞる。
「どう? シンジ? 」
 シンジは指を口に入れたまま、
「ふしゅ、ふすぐっ、ふすぐったい…、です」
 なぞり続けるアスカ。『くすぐったい? ッてことは、見込みがあるって事ね。くす
ぐったいって言うのは性感が未発達って事みたいだから』 昨日今日で得られた実感がこもった
感想を浮かべるアスカ。『あんまり強くしないで…、触れるか、触れないか、で…』
 親指から人差し指、中指に変え、シンジの胸を混ぜる。時々親指で乳首の先端を掠め
る。押し入れた口と、跨いでいる腹に力が入るのが分かる。左手を引き抜いてその指に
付いたシンジの唾液を、胸に塗りたくる。左側も右側同様に胸をかき混ぜ始める。
「お、おねさまっ。そんなに、胸、ばっかり、いじらなくても。ぼくも、胸は無いのにっ」
「も、ってなによ、もって。どうせ私は、タプンタプンのミサトとは違って……」
 シンジの乳首が立ち上がってくる。
「あらっ。しんちゃん、胸で感じちゃってる? おっぱい無いのにねぇ。女の子じゃな
いのにねぇ。ふふ。今はなぞってるだけだけど……」
 むぎゅ。シンジの胸を鷲攫みにする。と言っても実際に胸があるわけではないので、
強めのマッサージ、と言った感じで掴んだだけだが。シンジの体が跳ねる。痛み、だけ
ではないようだ。取敢えず揉み続けてみる。
 ふにふにふにふに。
 揉み込むたびに身を少し捩らせるが、『気持ちよくて、って感じでもないわね。やっ
ぱさすがに無理かしらね』 アスカは少し身を引く。今はシンジの腰の上に乗っている
ので、また足下へ移動しようと思ったのだろう。体を左右に振りながら下がる。その刺
激が、
「はああぁううう」

719: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/20 05:16:54 ID:???
 シンジに再び大きな快感が走る。その間も取敢えず胸は揉む。『おっぱいの気持ちよ
さと勘違いしたら面白いんだけどね』 再びシンジの脚の上に戻ったアスカは、『今度
は口~』 とびあがったシンジの乳首を口に含む。舌先で転がすように弄ぶ。揉む、の
反応は今市であったが、この効果は絶大だった。
「ぁああっ。やめてっ、おね、さまっ。ああっ、ああっ。だめですぅ、ぼくはっ、あぁっ
もう、もう、ああああっ。しぬ、し、しんじゃいます。やめて、や、やぁあ」
 体をビクビクと反応させる。折り曲げたお腹に当たるシンジの分身もやはりまた、ア
スカを強くつつく。『ふんッ、いきっぱなしのつらさ、少しは、知りなさいっ』 シン
ジは脚でソファの縁を強く押し、腕でソファの背を押し広げるように力む。アスカは続
ける。じたばたともがいても尚逃れられない快感に押しつぶされて、シンジの神経は飛
んでしまう。
 
「まったく。私を気持ちよくさせろ、と言っているのに自分ばかりよがって乱れて。も
うそろそろ満足でしょ」
 シンジはソファに沈み、荒い息をたてている。アスカは床に直接座り、またPCを覗
いている。シンジを見ずに。
「それにしてもすごいわよ、シンジ。563だって。今ので15回分くらい気持ちよく
なっちゃったのね。女の子は男よりも何倍も気持ちいいって言うけど、性感が持続するっ
て言うのも一つの要因かもね。やったーしんちゃん。また一つ女の子に近づいちゃった
わねー。朝は穴でいけるようになっちゃったし、今は胸で」
 アスカが笑う。振り向き、シンジを見る。シンジは黒い長い髪を振り乱して、アスカ
の方を見ている。でもアスカを見ているのじゃなくて、何か、遠い何かを見ている。
『そろそろ、ちょっとやばいかも知れないわね。おかしくなられても困るから。それに
ここから負けることも…ないわよね』 アスカは立ち上がる。
「私があんたにやるばっかりじゃあ疲れるから、そろそろ一回ぐらいは、あんたがして
よ。っていうか、しなさい。私が満足できたら、それはずしてあげるわ。今日一日で女
の子のことよッく分かったでしょ? 」
 シンジの眼に僅かに生気が戻る。
「はずして、くれ、くださるの? 」

720: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/20 05:18:19 ID:???
「もちろん。私を良い感じに出来たら、はずしてあげるわ」
「じゃあ…」
 シンジはのそりと体を起こす。捲りあがった自分の服を適当に直して、アスカを見る。
そして脚に手を、
「ただしっ」
 アスカはネクタイを脱ぐと、自分めがけてのばされたシンジの手を取る。それを後ろ
手に回して、ネクタイで縛る。シンジがうめく。が、抵抗はなかった。
「これで、ね。これでやってみなさいよ」
 シンジは頷いてソファから降りる。それと入れ替わりにアスカがソファに座る。シン
ジが座ったアスカの脚に体を向ける。そしてその間に向けて顔を伸ばす。いきなり股間
に顔を埋める。『いやに直接的だな』 とアスカは思ったが、それもそのはずだ。アス
カは今上下を着ている。しかも下はパンツだ。肌の露出している部分はほとんど無く、
服の上からどうにかするか、若しくは脱がすしかない。アスカの股ぐらに顔を埋め、も
がくシンジ。動き回る頭が太腿を刺激して、『この時点で少し気持ちいい』 と思うア
スカ。『でも大丈夫。まだ10倍近いスコアの差があるからね』 PCを見やる。アス
カは驚く。もう60近い数値になっていたからだ。『シンジを、シンジを見てたからね。
あんな様見せられたら、誰だって』 アスカは再びそう、納得する。そんなアスカの股
の中で、
「おねぇふぁま、ここ、すごいにほひ…」
シンジがつぶやく。シンジは口を器用に使って、すでにパンツのファスナーを下ろし、
次にベルトを取ろうともがいている。舌を隙間に押し込み、唇と歯で挟んで引っ張る。
その動きのすさまじさにアスカは反論する事を忘れ、見入ってしまう。ベルトが外れる。
「まあ、そこまでやったら、……ここからは脱いであげるわ」
 指を腰に引っかけ、一気に引きずり下ろす。黒い布地の中から、透き通るように白い
肌が現れる。座った体勢でシンジが前にいるので膝までしか下ろせない。そこから先を、
シンジは顎を使って器用に下ろす。

721: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/20 05:19:07 ID:???
 露わになったアスカの脚。
 その柔肌に、シンジは愛おしそうにほお擦りする。真っ赤になったシンジの熱さを腿
に感じるアスカ。膝先から順に唇と舌先で、アスカの肉に吸い付き舐め上げる。愛撫の
ために頭が動くたび、シンジの髪がなびき、アスカの太腿を撫で回す。
「~~~~~っっっ」
 愛撫に没頭するシンジに気付かれないよう、声を押し殺すアスカ。視界の端で、アス
カのグラフがブンと角度を変えたのを捉える。『だめだ、これだけのことでこんなに感
じちゃうなんて。そうか、今日は、ずっと見てるだけ、だったから』 つまりは欲求不
満が溜まっていた、と。
 シンジはアスカの間を進み、ショーツにかみつく。これも引きはがそうと、シンジは
引っ張る。布地だけでなく、生え始めた陰毛も挟まれている。『痛いっ』 本当は声を
出すべき状況だが、声を出してはいけない、と言う考えばかりが頭を巡り、アスカは声
を抑える。中央から引っ張るだけではおろせないと分かったシンジは、左右の腰ひもの
部分も引っ張ろうとする。右を引っ張り、左を引っ張り、そうして左右に動く頭につい
て舞う髪が、やはりアスカの肌を刺激して。
「きゃあ! 」
 シンジはショーツをおろすことを断念したのか、急に胸元に飛び込んでくる。身悶え、
体を曲げていたアスカにぶつかる形になり、よろけるシンジ。
「…わかったわ。上は、自分で脱ぐから……」
 また胸元でまどろっこしくごそごそするのだろう。いい加減鬱陶しい、と言うのが半
分。『これ以上じらさないでくれ』 というのが半分。上着のボタンに手をかけ、脱い
で行くアスカ。その下から現れたワイシャツにも手をかけ、脱いで行く。目の前でシン
ジがもぞもぞと見つめている。『なんだか、ストリップみたいでハズカイシ』 これま
で散々ストリップどころでないことをしていた、と言うのに。アスカはワイシャツも脱
ぎ去り、ショーツにブラ一枚の格好になる。靴下はまだはいたままだが。

722: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/20 05:19:56 ID:???
 シンジが器用に立ち上がり、アスカの上に座る。膝の上なので、目線がかなり高い。
シンジが目を閉じ、顔を近づける。『キスされる』 そう思い、アスカも目を閉じ、口
はシンジを求める。少し間があって、口全体がふさがれる。そして唇をあわせ、舌を絡
ませる。キスをしながら、シンジはアスカの上でもぞもぞと体勢を変える。シンジが身
を引くので、唇を求めて、アスカは前にでる。その隙に背中に手を滑り込ませられる。
器用にブラのホックをはずされる。左手で髪をかき上げられながら、右手でショーツの
縁に指を挟まれる。引きずり下ろそうというので、アスカは腰を上げてその意志に従う。
 全裸になるアスカ。シンジの身につけているひらひらした衣装が脚に胸に肩に腕にあ
たり、こする。脚からパンツとショーツを完全に引きはがされ、シンジはアスカの脚の
間に身を置く。それぞれの手をアスカの腿の下に滑り込ませ、手を滑り、手を、………
手? アスカは目を開ける。シンジは口を引き離す。
「ちょ、ちょっとまって」
 アスカの脚はソファの上にのせられ、M路開脚の形に抑えられている。
「ちょっとシンジ、何やってるのよっ。なんで手が自由になってるのよっ」
 シンジは気にせずに私のアソコへの愛撫を開始する。性器の外周をなぞるように撫で
て行く。私からはシンジにも負けない、大量の愛液が内から溢れ、それをすくい取って
は私に塗りつけて行く。
「ちょ、ちょっと、シン…ジっ。なんでっ? やめなさいって、手は使わないってぇ」
 シンジは続ける。シンジはアスカの左側に頭を入れ耳に息を吹きかける。
「ふぁあっ」
 息の漏れるアスカ。吹かれてアスカの耳が現れる。それを甘噛みする。アスカの背中
にゾクゾクとした感覚が走る。首を仰け反らせると、シンジの右手がアスカの胸を包む。
広がっていたそれぞれの指が、中心をめがけて一斉に集まる。尖った頂点を捻る。
「きゃああああっ」
 跳ね上がるほどに強くアスカは反応する。シンジは指先で乳輪をなぞり始める。先ほ
どアスカがしたように時々親指で弾きながら、だんだんとなぞる速度を速めて行く。
「あ、あ、あ、あ、あっ」

723: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/20 05:20:58 ID:???
 胸への刺激が続き、耳への刺激は、首筋を通って肩に来る。肩口、胸、秘所と三カ所
への同時の刺激を耐えながら、何とか声を出す。
「ちょ、とっ、ま、って。シンジィ」
 息が漏れ続ける。胸にあった右手はアスカの腰へ回り、肩口から下りた唇は、胸への
愛撫を始める。これもアスカと同じように、口に含み、舌で舐め、そして歯でかむ。
「きゃあああああああああ」
 全身に電撃が走る。飛び上がりそうに、跳ねる。座ってはいられなくなったアスカは、
ソファに倒れ込んで行く。それに併せてシンジは体勢を変え、その間アスカへの攻めが
止まる。この隙きに。
「何するのよっバカシンジッ!! 」
 アスカはシンジを強く睨め付けるが、その視線はシンジの瞳に吸い込まれて行くだけ。
「アスカぁ」
 シンジはアスカに覆い被さるように四つんばいになる。勿論その腰はアスカの脚の間
にある。シンジのペニスの先端がアスカの膣口に押し当てられる。『挿れられちゃうっ!!! 』
 アスカの頭に恐慌が満ち、手足をばたつかせる。
「いやぁああああ、やめてっ。おねがいっ、それだけはっ、やめてぇっ」
 シンジは顔をアスカから放し、哀しそうな表情を見せる。
「どうして? アスカ…」
「いやっ、いやよ。それは…怖い……」
 シンジは、アスカと目を合わせられなくなる。アスカはうわごとのように繰り返す。
「……どうしても? 」
 アスカは頷く。
「いや、怖いもの。……だってそんなもの、…入らないわよ」
「………え? 」
 シンジが暫し固まる。

724: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/20 05:22:19 ID:???
「そんなの入れたって、痛いだけに決まってるゎ…」
「……………それはつまり、本番が怖いって言うのは、つまり痛そうだから、と? 」
「……そうよ…」
 涙を溜めた瞳で見返すアスカ。
「痛いのが怖いから、本番はNG、と」
「そうよ」
「何か、辛い、話したくもないようなことが昔…」
「そんなこと無いわよ。そんなことあったら、あんたとこんな事できるわけ無いじゃない」
 何かおかしな所があるか。アスカの顔はそう云っている。
「………えー、と。痛くなければいいの? 」
 アスカは不思議そうに答える。
「そりゃ、そうよ。…でも痛いに決まってる。痛くないわけ無いわっ」
「それだけ? 」
「そう、よ? 」
 不審げなアスカをよそにシンジはゆらりと体を起こす。その口元には、笑みが。アス
カの体から離した両手を頭に持って行く。頭の上に乗った長く流れるような髪を、それ
ぞれかき集めて二つに留めたようにする。そして
「うふっ。女の子の体はそうできてるのよっ。だからだいじょうぶっ。こわがらなくっ
て全然オーケー!! おねえさまっ、私と気持ちよくなりましょぅっ」
満面の笑みで歌うように叫ぶ。アスカがあっけにとられていると、その体勢のまま、
「ぼくは、アスカがどうしてもって言うから、女の子のかっこうして、トイレで散々ま
たされて、おちんちん縛られてイキたくてもイケなくて、映画館で他に人がいるのに、
オナニーさせられて…。あんなに恥ずかしいのを我慢したんだからっ、お尻に指入れ
られたって我慢したんだからっ、アスカだってちょっとくらい我慢しろよ。………ねっ、いいでしょっ
おねえさまっ」

725: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/20 05:23:09 ID:???
 シンジは再びアスカに覆い被さる。そしてペニスを手に取り、アスカに再び押し当て
る。
「いくよ、アスカっ」
 くに、と言う感覚が、アスカとシンジに伝わる。
「きゃっ! やめてッ、シンジっ」
 シンジは聞かずに、その腰をゆっくりと押し出す。先端から徐々に体内に侵入する感
覚が、アスカに。
「ぎゃあっ!! ばかぁ。…くぅ。バカシンジッ。やめてッ、やめてッてばっ。あああ
ああ。あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あっ!!! 」
「くっ、あ、あ」
 シンジのけして大きくはないが、しっかりとしたモノが、アスカの中に完全に埋没す
る。
「あわぅ。あ、あったかいぃ」
「あ゛あ゛あ゛、あづいぃぃ」
 おのおの、互いの感想を吐き出しあう。どちらも相手の言葉は耳にはいていない。ア
スカは目を固く閉じ、眉根を寄せ、歯を食いしばっている。シンジも目は閉じているが、
感慨に耽っている顔、と言った表情で、口をだらしなく開けている。シンジは気を取り
直し。
「…アスカ、大丈夫? 」 
 徐々に全身から力を抜き、アスカが答える。
「そんな、ことっ。きくっ、くらいならっ、やらない、で、よね」
 つっかえつっかえだが、答えられないことはなさそうだ。いつの間にかシンジの肩に
手を回している。
「アスカ、動いて良い? 」
「え? あ、や、やめて、やめてよっ、今でも十分、い、たいの、に、あっ。やめてよっ」
 アスカの答えを聞く前にシンジはゆっくりと引き抜き三分の二ほどがでたところで、
また挿入を始める。始は送り出す腰つきも引き抜く動作もぎこちなかったが、三往復も
すると、次第に慣れ始める。スムーズに腰が動くようになり、そのピッチも速くなる。
「やめて、ってば。…やめて。やめ…て。やめ、やっ、…やっ」
 それにあわせアスカの抗議の声も小さく、そして甘い声が混ざり始める。
「あんっ、あっ、あぁっ。あっ、ああっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ」
 十分に前戯の済んでいた結合部から、くちゅくちゅと言う音が漏れ始める。

726: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/20 05:24:15 ID:???
「ああ゛、アスカ、すごい、すごく、きもちいいっ。アスカッ、アスカはっ? 」
「……………………」
 アスカは漏れてしまう声を抑えるのに必死で、シンジの問いには答えられない。しか
し顔も耳も真っ赤に染め上げ、突き上げられるたびに唇の間から漏れ聞こえる声を聞け
ば、その答は明白だった。
「ああ゛、アスカのっ、軟らかくって、あったかくって、ぬるぬるで…」
「は、恥ずかしいか、ら。そんな、こ、といわないで、よぉ…」
 行為の最中に会話ができる余裕が出てくる。シンジはさらに突き上げを早くする。し
かし同時にただ単調な運動を改良し、突き方をかえる余裕も見せ始める。上下左右、ア
スカの内壁を様々な角度からえぐり、
「きゃっあっ!!! 」
 アスカの体がびくんと反応する。上げる声に切羽詰まった色が見えるようになる、声
の高さも上がっていく。
「きっ、や、やめてッ。ひゃっ、そこはっ、あああ゛、だめ、だめだよぉ。そこ、だめ、
だめ、だめ、だめだめ、だめだって、止めて。あ゛あ゛あ゛、ああああああああああ」
 アスカが痙攣を続ける間も、シンジは執拗にそこを攻める。
「やめっ、しんじゃっ、しん、しんじゃうっ。やめてっってばぁぁあああああああ」
 最後に絶叫を残して、アスカの動きが止まる。パニックに陥った神経が全身を震わせ
る。その状態に陥って漸く、シンジは動きを止める。シンジはきつくなったアスカの中
からゆっくりと引き抜く。根本に嵌ったリングを取り去ろうと、必死に格闘する。
「あ、ああ、あ、ああ、あ、」
 こみ上げてくる射精感を必死に抑え、リングを取り去る。外れると同時に陰茎を精液
が駆け抜けていく。それらの大半はシンジの腰に巻かれたスカートにあたり、そこから
外れたモノは放物線を描いて、アスカの体に降り注いだ。
「あっ、……あっ…………あっ」
 声が漏れるたびに、残りが弱々しく吐き出される。強烈な、今日一日分の倦怠感がシ
ンジを襲い、ソファから転げ落ち、床に転がる。肩で息をしながら、勝ち誇ったように
アスカに尋ねる。
「はぁ、はぁ、アスカぁ、もう、したくない? だだぁ、痛いだけ、だった? 」
 ソファの上で同じように横たわりながらアスカは答える。息も絶え絶えだが、しっか
りとした声。

727: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/20 05:25:50 ID:???
「……そうねぇ。…一回じゃ…よく分からなかったから…次はぁ…私が、上で、ね…
さっ、第二ヒート、突入よっ」
 シンジの悲鳴がマンションに響いた。



 リビングにしかれた二組の布団。まだ九時前だが、普段ならもうアスカはおねむの時
間だ。しかしいまその眼をぎらつかせ、
「じゃあっ 明日の試合内容をかけて、いくわよっ」
 アスカは手のひらの中の二つのサイコロを弄ぶと、
「何がっでっるっかっなッ、何がでッるっかっなっ、それはサイコロ任せよっ、ハイ!! 」
ものすごいいスピードのアンダースローで擲げ放たれたサイコロはすぐに天井にぶつかり、壁、
床を順調にはね、部屋の隅っこに転がって行く。それをおのおの、必死に追いかける2
人。でたその目は「二」と「五」。つまり
「若奥様、と、透明人間、ね。……面白くなりそうだわ」
 アスカはほくそ笑む。

 あの後三時間にわたって続いた勝負の最終スコアは5024対1683だった。勿論
アスカが5000ポイントを獲得したのだが、この勝負はポイントが少ない方、つまり
相手を気持ちよくさせた方が勝ちなので、シンジに軍配が上がることとなった。しかし
この試合は三セット先取制だ。そしてまだ今日の一セット分しか試合は動いていない。
勝負は未だ未だこれからだ。

728: ヒロヤマー ◆IceN5vh3uA 05/02/20 05:41:02 ID:???
あ、終わり、入れるの忘れてました。
以上で終わりです。

正直ここまで長くなるとは思ってなかったので、随分長々と失礼しました。もっとシンプルにするつもりが迷走したり。
妄想オナヌストとしては、ここら辺がえろの限界かも。
今後は倒錯ネタとして一本と、今度こそきゃあ!!っぽいのが一本、後普通のえろなしLASが二本、というのを何となく考えていたりします。
あ、あと最初はこっちを書く気だった、今回の続編ですが。これは何処にやろうか。
しかし、本当に長々とおつきあいくださってありがとうございました。
これで積んでた「先輩とぼく」の新刊が安心して読めるます。
ああっ、それではー。<ハヤテのごとくを読みながら。>




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