1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 01:31:09.42 ID:y6xKrYPW0
アスカ「今まで何度もバカシンジにこの気持ちを伝えようとしたけどだめだったわ…」

アスカ「でもこのままでいいわけないのよ…」

アスカ「このままじゃバカシンジをエコヒイキに取られちゃうかも…」

アスカ「エコヒイキに負けるなんて絶っ対にイヤ!!!そんなの耐えらんないわ!!!」

アスカ「戦いは先手必勝よ!だから、今日こそは…」

アスカ「…やるしかないのよ、アスカ!」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 01:32:32.54 ID:y6xKrYPW0
アスカ(…と意気込んだもののもう夜になってしまったわ…)ズーン

アスカ(ととりあえず、今日の反省してみましょっ!)

アスカ(朝、朝食が用意されてたのでありがとうと言おうとしたが
「あんたばかぁ?玉子焼きにはソースでしょ!?」と言ってしまう)

アスカ(昼、シンジがお弁当を届けてくれたのでありがとうと言おうとしたが
「あんたばかぁ?さっさと寄越しなさいよ!」と言ってしまう)

アスカ(夜、シンジと軽い言い争いから
「あんたばかぁ?!そんなんだからいつまでたってもバカシンジなのよ!」と言ってしまい今に至る)

アスカ「……あれ?あたしってばか…?」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 01:37:58.54 ID:y6xKrYPW0
アスカ「はぁ………」

アスカ「何度やってもやっぱりだめね…」

アスカ「どれだけ頭の中でシミュレーションしても、バカシンジを前にするとうまく行かないわ…」

アスカ「今日こそはと思ったのに結局前とおんなじじゃない」

アスカ「でもこのままでいいわけないのよ…」

アスカ「このままじゃバカシンジをエコヒイキに取られちゃ…」

アスカ「あれこれ、デジャヴ?」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 01:45:33.34 ID:y6xKrYPW0
アスカ「ま、そりゃそうよね。何度も同じこと繰り返してるんですもの」

アスカ「既視感の一つや二つ感じてもおかしくないわ」

アスカ「あたしが変わらなきゃきっとこのままよね…」

アスカ「じゃあいつ変わるか?」

アスカ「今よ!!」

アスカ「さよなら、意固地で意地っ張りなあたし」

アスカ「こんにちわ、素直で甘えん坊なあたし」

アスカ「たった今あたしは変わったわ!」

アスカ「待ってなさい、バカシンジ!目に物見せてやるんだから!」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 01:52:37.28 ID:y6xKrYPW0
アスカ(ふぅ…ちょっと興奮しすぎたわ……)

アスカ(落ち着いてから行こ……)


アスカ(シンジは…っと)

アスカ(まだリビングにいるみたいね、ちょうど良いわ)

アスカ(緊張しすぎずリラックスを心掛ければこんなのお茶の子さいさいよ…)

アスカ(だってあたしはエリートパイロットですもの!)

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 01:58:37.65 ID:y6xKrYPW0
ガラッ

シンジ「~♪」

アスカ「バ、バカシンジ!」

シンジ「えっなに?」ビクッ

アスカ「あんたこんな時間まで何してるのよ?」

シンジ「何って…クラシックの番組見てただけだよ?」

シンジ「アスカこそどうしたの?さっきはもう寝る!って飛び出してったじゃないか」

アスカ「あたしのことはどうでもいいの!それよりちょっと聞いて欲しいことがあるんだけど…」

シンジ「う、うん…?」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 02:05:00.32 ID:y6xKrYPW0
アスカ「あの、さ。さっきはくだらないことで怒鳴ってごめん。あたしが悪かったわ」

シンジ「えっ!?いや、僕の方こそ悪かったよ、ごめん」

シンジ(アスカが自分から謝ってくるなんて…一体何が起きるんだろう……)

アスカ「あんたは謝らなくていいの!」

アスカ「…あと、その……」モジモジ

アスカ「いつも言おうと思ってて、でも言えなくて、なんていうか、その……いつもありがとね///」カァァ

シンジ(!?)

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 02:10:48.71 ID:y6xKrYPW0
シンジ(なにこれ、どうなってるのこれ!?)

シンジ(こんなのおかしいよ!部屋に戻るまではいつもの我が儘なアスカだったのにどうなってるんだよ!?)

アスカ「もう一つ、聞いて欲しいことがあるんだけど……いい?///」ウワメヅカイ

シンジ(…っ!)

シンジ(可愛すぎるっ!)

シンジ「うん…!」

シンジ(どうなってるんだよ、ミサトさん!こんなのまるでアスカが僕に…)

シンジ(こくは…いや待てよ…)

アスカ「あのね!あたしね…」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 02:19:19.69 ID:y6xKrYPW0
シンジ(いきなりアスカがこんなに変わるのはおかしよやっぱり…)

シンジ(何か理由があるはず…)

シンジ(!!!)

アスカ「あたしあんたのことが、す シンジ「わかったよ!アスカ!」

アスカ「えっ///」

シンジ「騙そうったって僕もそこまでバカじゃないよ!」

アスカ「は?」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 02:22:16.94 ID:y6xKrYPW0
シンジ「もう日付が変わって4月1日。つまりエイプリルフールだろ?」

アスカ「えいぷ…えっ?」

シンジ「なんかおかしいと思ったんだよね。アスカがいきなりこんなに素直にありがとうって言ってくるなんてさ」

アスカ「えっ、えっ?ちょっと…」

シンジ「どうせ告白まがいのことして僕が真に受けたところを笑い飛ばすつもりだったんだろ?」

シンジ「でもさすがにエイプリルフールの嘘に引っかかるほどバカじゃないよ、僕も」

アスカ「」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 02:29:45.38 ID:y6xKrYPW0
シンジ「あれ?どうしたの、アスカ。……もしかしてさっきの…」

アスカ「あーあー、つまんなーい!あんたの言う通りよ!」

アスカ「せっかくあんたのアホ面笑い飛ばして野郎と思ったのに台無しじゃない!ノリ悪いわねえ」

シンジ「あはは…ごめん」

アスカ「もうあんたのことなんて知らないっ!おやすみ!!」

ピシャンッ

シンジ「?…何怒ってるんだよアスカ」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 02:35:13.38 ID:y6xKrYPW0
アスカ「ふええ…バカシンジのやつぅ…」シクシク

アスカ「あたしの、勇気を振り絞った、ひっく、告白を嘘だって…うええん」シクシク

アスカ「ひっぐ、エイプリル、フールってなによお…」シクシク

アスカ「とにかく、調べてみなきゃ…」グシグシ

アスカ「エイプリルフールっと…」カタカタ

アスカ「なになに…エイプリルフールとは…」

アスカ「4月1日に嘘をついたりつかれたりして、人をからかって楽しむ風習、って……」

アスカ「なによこれぇ~っ!!」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 02:39:04.69 ID:y6xKrYPW0
アスカ「こんな風習のせいであたしの一世一代の告白は潰されたってぇーの!?」

アスカ「こんな風習無くしてやる…無くしてやる…無くしてやる…っ!!」

アスカ「あー!!もうむしゃくしゃするっ!!!」

アスカ「こんな風習も、それを知ってるバカシンジも!!」

アスカ「なにがエイプリルフールよ、四月馬鹿よ!!」

アスカ「こんなの知らないわよぉ…」ヘナヘナ

アスカ「あたしはどうやったってうまく行かないのね…」

アスカ「嘘をついていいか…いつもシンジにあんな事してるんですもの…」

アスカ「そりゃあたしもそれに乗っかったと思うのが普通よね…」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 02:43:35.89 ID:y6xKrYPW0
アスカ「こんなことなら最初からからかい目的で言ってバカシンジの反応見れば良かったわ…」

アスカ「そしたらきっとうまく騙せたのになぁ…」

アスカ「シンジ顔真っ赤にしたりして…ふふふ」

アスカ「もったいないことしたなぁ…」

アスカ「来年の4月1日はちゃんとバカシンジからかって遊ばなきゃね…」

アスカ「……いや、まだ今年のエイプリルフールは始まったばっかりじゃない」

アスカ「そうよ!こうなったらとことん嘘ついてやる!」

アスカ「今日ならどれだけ好きって言ってもいいんだわ!あのバカが真に受ければそれもよし、嘘って言われてもそれでもよし!」

アスカ「…………バカシンジのバカ」グスン

アスカ「………zzz」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 02:49:26.87 ID:y6xKrYPW0
シンジ「アスカー!もうお昼だよ?いくら春休みだからっていい加減起きなよー」

アスカ「んーバカシンジちょっと来て」

シンジ「来てって言われてもアスカの部屋に入ったら怒るんじゃないの…」

アスカ「あたしが来てって言ってるんだから良いに決まってるじゃない。はやく来なさいよバカ」

シンジ「んもう…分かったよ、入るよ?」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 02:53:32.11 ID:y6xKrYPW0
ガラガラ

アスカ「シンジ、抱っこして起こして?」ニコ

シンジ「なっ///」

アスカ「はやくぅー」バタバタ

シンジ「くっ……その手には乗らないよ!どうせまた僕をからかってるだけなんだろ?」

アスカ「ちっ」

シンジ「でもアスカ、嘘ついて良いのは

アスカ「あーあ、ほんっとつまんない男ねー!あんた。昨日も言ったでしょ?ノリ悪いって」

シンジ「そんなこと言われたってしょうがないじゃないか……」

アスカ「ま、いいわ。お腹空いたからなんか食べたいんだけど」

シンジ「お昼なら今作ろうとしてたところだから。出来たらまた呼びに来るよ」

ガラガラ

アスカ(あいつって本当に主夫よね……)

アスカ(それはそうと、次はもうちょっと大胆にやってみようかな)

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 03:00:15.99 ID:y6xKrYPW0
シンジ「出来たよー、アスカー!」

アスカ「わかった今行くー」

アスカ「シンジ、いつもありがとう。大好き!」ニヘ

シンジ「だからもう騙されないってば!///」

シンジ(嘘だと知ってても可愛い…!)

アスカ「そうは言ってるけどしっかり顔赤くしてるじゃない、あはは!」

シンジ「そんなことばっかり言ってないでご飯食べてよ!///」

アスカ「はいはい、わかったっつーの。いただきまーす」

シンジ「どうぞ召し上がれ」

アスカ「モグモグ…まあまあね」

シンジ「……そっか」

シンジ(どうせなら誉めてくれればいいのに……)

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 03:07:59.07 ID:y6xKrYPW0
アスカ「ごちそうさま」ガタッ

シンジ「アスカはこれから用事でもあるの?」

アスカ「特にないけど…あんたは?」

シンジ「いや、僕もないよ」

アスカ「ふーん、暇人同士仲良くしましょ?」

シンジ「うん、そうだね……」

シンジ(なにかよからぬことを考えてる気がする)

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 03:12:30.64 ID:y6xKrYPW0
アスカ「バカシンジーちょっとこっちー」ゴロゴロ

シンジ「またぁ?」トコトコ

アスカ「シーンジ!」ギュッ

シンジ「うわぁ!!////」

シンジ「アアアアアスカさん??!いくら何でもこれはちょっと度が過ぎてるんじゃ…///」

アスカ「なによぉ、あたしに抱きつかれるのがそんなにイヤなの?」

シンジ「いやと言うかなんというか…」

シンジ(気を許したら張り倒されそうで…怖い)

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 03:16:52.95 ID:y6xKrYPW0
アスカ「バカシンジぃ♪」グリグリ

シンジ「あ、あのさ。一応言っておくけどさ、エイプリルフールって嘘ついていいの午前中までなんだけど……///」

シンジ(もうこれは嘘と言えるものかわからないけど)

アスカ「ふーんそうなんだ。………えっ?」

シンジ「あ、やっぱりアスカ知らなかったんだね」

アスカ「いや、そのくらいのことあたしが知らないわけないじゃない!」

シンジ「ん?……えっ?!」

アスカ「えっ」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 03:22:18.37 ID:y6xKrYPW0
アスカ(あれ?いまどういう状況なの…?)

アスカ(本来嘘をついていいのは午前中までというのをつい知ったかぶりしちゃったってことは…)

シンジ「じゃ、じゃあ今までのって…///」

アスカ「ほほんとは午前中までだって知らなかったの!だいたいエイプリルフールなんてイベント自体知らなかったのよぉ!!」アタフタ

シンジ「そっか、そうだよね……あれ?」

シンジ「エイプリルフール知らなかったって…?」

アスカ「あっ///」

シンジ「えっ」

アスカ(しまった)

シンジ「あ、これも嘘だ!そうなんでしょ!///」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 03:30:16.09 ID:y6xKrYPW0
アスカ()イラッ

アスカ「違うわよバカ!あんたが嘘だとかエイプリルフールだとかいうからそれに合わせたの!!」

アスカ「あたしは小さいときから一人で生きていけるよう必死になってたからそういうのわかんないの!!バレンタインデーだってヒカリから教えてもらって初めて知ったの!!」

シンジ「そっそうなんだ…」オロオロ

アスカ「これは本当のことよ、わかった?」ギロリ

シンジ「うん、わかったよ…」ビクビク

アスカ「…それで?」

シンジ「え?」

アスカ「だから!バカシンジはあたしの気持ちを知ってどう思ったかって聞いてんの!!///」カァァ

シンジ「えっと、その…アスカが僕のこと、好いてくれてるのは、嬉しい……///」

アスカ「……それだけ?」ジーッ

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 03:31:27.61 ID:y6xKrYPW0
シンジ「自分でもよくわからないんだけどさ…」

シンジ「アスカに特別な感情を抱いてるのは確かだと思う…。でもこれが好きって気持ちかわからないんだ……」

シンジ「僕、人を好きになったことないから……」

アスカ「じゃあ返事はまだ貰えない、ってこと?」

シンジ「うん、ごめんアスカ」

アスカ「うぐっ…謝られると振られてるみたいでイヤなんだけど…」

シンジ「そういうつもりじゃっ…」

アスカ「わかってるわよ。そのくらい」

アスカ「特別に待っててあげるわ。そのかわり!ちゃんと答えを出すこと!うやむやにしたら許さないわよ!!」

シンジ「うん、ありがとうアスカ」

アスカ「………それはこっちのセリフよ、ばか」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 03:32:16.43 ID:y6xKrYPW0
数年後

シンジ「アスカと結婚なんて絶対にしたくないよ!」

アスカ「あたしだってバカシンジと結婚するなら死んだ方がましよ!」

シンジ「アスカと結婚するつもりなんてないから指輪なんて買ってもいないよ!!」

アスカ「別に指輪なんて貰ったって嬉しくないもの!」

シンジ「アスカの気持ちなんて関係ないよ!絶対渡したりしないよ!!」

アスカ「…………シンジ、あたし今幸せよ」ニヘラ

シンジ「アスカぁ今そんなこと言っちゃだめじゃないか」

アスカ「ばか、時計みなさいよ」

シンジ「あっ、丁度過ぎてたんだね」

アスカ「うん」

アスカ「ね、シンジ」

シンジ「なに?」

アスカ「大好き!」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 03:33:18.49 ID:y6xKrYPW0
明日バイトあるのにこんなことして最低だ、俺って

おやすみなさい



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