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このstory3は
【明城学院】シンジとアスカの学生生活【LAS】No1~6とは別の作者の方々が書かれたssです

story各話ごとに、更に各話の中でも作者さんが変わるssとなります。

それと同時にこちらはナンバリングしておりますがシリーズものではない点を、了承していただきますようお願いいたします。




"over"


惣流・アスカ・ラングレーと僕が付き合いだしてからもう1年が経った。そして、僕は彼女に振られた。

今考えてみると、彼女が僕に飽きていったのは1ヶ月前くらいだろうか。僕たちはデートをした。そして、僕はいつも通り別れ際にキスをしようとした。
しかし彼女は「風邪がうつるといけないから今日はやめましょ」と言った。
彼女は僕が風邪を引いているのに看病の一つだと言って僕にキスをして、案の定風邪を引いたことがあるというのに。
僕は、そんなの気にしないよ、と言ったけれど、彼女は頑なに断った。
それを彼女の思いやりの心だと思ってしまった僕だから、彼女に飽きられ、振られてしまうのだ。

451: atlas 2014/04/06(日) 13:50:50.98 ID:ITjKmMc9
彼女が僕を振ったのは昨日、メールでだ。
『ごめんね、好きっていう気持ちがなくなっちゃったの』
僕は寮の薄汚い風呂から出て、部屋に戻ると最近滞ってた彼女からのメールが来ていたから喜んでメールを開いた。
だからショックは尚更大きかった。

同部屋のケンスケは僕の様子を見て「どうしたんだ?」と言った。彼は親友だから、僕は正直に打ち明けた。
ケンスケは「そうか……」と言った。
「まあ、女なんてたくさんいるさ。惣流以外にもお前に合った子がいるさ」
ありきたりな慰めだ。全然慰めにならなかった。僕はアスカを愛していたのだ。

僕たちは加持さんの部屋に向かった。加持さんとは一つ上の加持リョウジ先輩のことで、カッコ良く、優しいから女子生徒はもちろん、男子生徒も彼を一目置いている。
また、加持さんはやんちゃなことでも有名だ。節分に教師に向かって豆撒きをしたのは記憶に新しい。

452: atlas 2014/04/06(日) 13:51:58.45 ID:ITjKmMc9
三年生になると一人で一部屋使えるようになるため、加持さんは部屋に一人だった。
まだ未成年だし、寮内だというのに堂々とビールを飲んでいた。
僕たちが、ここに来たわけを話すと、加持さんは冷蔵庫からビールを二本出し、一本ずつ僕たちに渡した。
「そんなの、飲んで忘れちまえ。いつかシンジ君に言ったが、男と女は永遠に分かり合えないんだから、別れるのは当然のことだ。当然のことは忘れても良いことの方が多いよ」
寮で飲酒なんかすれば退寮させられるし、学校もどうなるか分かったものではない。しかし、僕は加持さんを信じてビールを開け、一口飲んだ。マズイ。
隣のケンスケはゴクゴクと飲んでいる。
「ケンスケ君はこの前マナちゃんに振られてここに来て、同じようにビール飲んだんだったな」
「ずるいっスよ。まったくぅ。シンジや加持さんみたいな奴ばーっか女子は集るんだもの。加持さんはミサトさん、シンジは惣流がいたのに。俺みたいな奴は見向きもしないんだ」
「そんなことないさ。ケンスケ君が好きになる女の子もその内現れるさ」

453: atlas 2014/04/06(日) 13:52:33.26 ID:ITjKmMc9
しかし、シンジ君がアスカに振られるとは思わなかったな」加持さんはコトン、とビールを机に置いて言った。
「何かしたのか?」
「いえ…。振られるようなことを多分してません。ただ単に僕に飽きたのかも」
「それだったらアスカは許せないな。毎晩アスカが眠る時間に電話かけちまえ」
「そんなことしたら殺されますよ」
「じゃあ、殺し返せばいい」加持さんは真剣に言った。
「そんな無茶な……」
ケンスケは加持さんにもう一本ビールを貰い、飲み干した。僕も貰ったような気がする。みんな酔っ払って何がなんだか分からなくなった。僕たちは起きた時、自分たちの部屋にいた。

454: atlas 2014/04/06(日) 13:55:02.27 ID:ITjKmMc9
ケンスケは頭が痛いと言いながら先に朝ごはんを食べに行ってしまった。僕はひとりになった。
僕は、彼女のことを思い出した。
今となれば、あの顔のわりに小さな胸も、あの、あんたバカぁという口癖も
嘘をつけない大きな声も、あの自信に満ちた態度も、数え上げればキリがないけど彼女のなにもかもを愛していたのに。
なんで飽きられないように努力しなかったんだろう?僕は「言葉が足りないのよね~」と彼女が言っていたのを思い出した。そう、言葉が足りなかったのだ。愛していたのに。

僕は携帯を探し、彼女と一緒に撮った写真を見た。去年の夏に一緒に海へ行ったときに撮った写真だ。そうだ、青い髪の毛の不思議な女の子と、その彼氏らしき銀髪の人に撮って貰ったんだ。あの2人は、まだ付き合っているのだろうか?

455: atlas 2014/04/06(日) 13:56:44.35 ID:ITjKmMc9
写真のアスカの瞳は楽しそうに輝き、僕も楽しそうだった。幸せそうだった。
彼女との出会いは電車の中だった。彼女も同じ学校を受験していて、2人とも合格して同じクラスになって、隣の席になった。
マヤ先生にルーム長と副ルーム長に無理矢理任命された。
ゴールデンウイーク前に彼女に告白させられた。
夏には海へ行き、夏祭りに行って花火を見た。浴衣姿がとても綺麗だった。射的で2人で一緒に一万円を狙った。千円使って一万円を獲得した。
文化祭は2人でたくさんクラスを回った。彼女の誕生にはプレゼントに貯めてきたお小遣いを使い、ラピスラズリのネックレスをあげた。僕に抱きついて喜んでくれた。クリスマスは一緒にイルミネーションを見た。
お正月はお互いの実家の近くの神社にお参りに行った。
僕はずっとアスカと一緒にいれるようにお願いした。バレンタインには大きなハート型のチョコレートを貰った。そして、別れた。


思い出すのは、こんな楽しかったことばかりだ。だから、余計に悲しい。
写真の中の彼女は、もう、なにも語りかけてこなくなった。でも、この悲しみもいつかは思い出となる。
長いトンネルになるかもしれない。でも、ゆっくりとでもいいからくぐみぬけてみよう。そうすれば、また、この写真の僕みたいに笑えるはずだーーー。さあ、一歩ずつ進もう。

END

456: atlas 2014/04/06(日) 13:57:30.03 ID:ITjKmMc9
「こんな感じだ」
「やっぱり。どれだけキャストが揃ってて、たくさん編集しても脚本がダメならどんな作品も駄作なのよ。あ~あ、こんな内容だったら絶対出演しなかったのに!ねっ、シンジ!」
「そうだよ!なんで僕たちが別れなきゃいけないんだよ、ケンスケ! 」
「し、しかし、男子を中心に反響は良かったぞ?」
「そんなの、あたしに振られるシンジを見て嬉しい男たちでしょ?そんな奴らの評価なんてアテにできないわっ!」
「まあまあ。映像制作部としては良い経験になったし、シンジたちにとってもたまにはこういうのもいいだろ?良い刺激になったじゃないか」
「そんなのいらないわよ。不必要だもの。あたしとシンジは、絶対に別れたりしないんだから!」

本当のEND

467: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/12(土) 01:38:53.49 ID:???
「これで全部かい?」
「はい、ありがとうございます!ほんとに助かりました」
「役に立てて嬉しいよ。俺にはこれくらいしかできないからな」
「お礼にちょっとコーヒー買ってきます」
「いいんだよこれは俺からのささやかな進学祝いさ。しかし値段の割にいい部屋じゃないか」
「はい。ネットで探したら最初に目が止まったアパートで…」
「いい物件を見つけたな。シンジ君は相変わらず見る目があるよ……彼女といい。」
「どういう意味ですかw」
「シンジ君、大学生活ってのは本当に楽しいぞ。誰にも縛られず時間にも追われず自由で…」
「はい、すごく楽しみです。寮生活は規則が厳しかったし…ようやく本当の一人暮らしが始まるって気がする」
「快適だぞー。ベッドに潜っていたら気づいたら一週間経ってたなんてこともあったな、ははは」
「えー、一週間もベッドでなにしてたんですか?w」
「葛城なら知ってるが、聞かないでくれよ」
「ミサト先生が?」
「おっと、そろそろ俺は帰らなくちゃ。シンジ君も俺みたいに一週間学校サボッて籠るようなことがないようにな!」
「はい、気をつけます。今日は本当にありがとうございました」
「また落ち着いたら改めてドライブにでも誘うよ。あと夏になったらスイカを届けに来るからよろしくな」
「はい、楽しみにしてます。また高校にも遊びに行っていいですか?」
「ああ、もちろんだ。それじゃまたな。アスカにもよろしく言っておいてくれ」
「はい、お気をつけて!」

468: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/12(土) 01:45:40.71 ID:???
>>467
4月からようやく大学生活が始まる。なにかと窮屈だった寮にもお別れを告げ、念願のアパート暮らしだ。
築20年以上の古びたアパートで部屋は六畳一間だけど、寮に比べたら天国みたいな環境だと感じる。
今までは寮長に見つからないようにコソコソとアスカを部屋に招き入れていたけど
もうそんなこと一切気にせず、堂々とアスカと過ごせるんだ。
アスカとのんびりテレビを見たり…このキッチンでアスカと一緒に料理したり…このお風呂でアスカと一緒に…
って、やましい妄想をしてる場合じゃなかった。アスカにメールしなくちゃ。『部屋に着いたよ』…と。
アスカは今、寮の私物をミサト先生に頼んで車でマンションまで運んでもらっている。
僕は加持先生に運んでもらったところ。お昼を過ぎたら今度は実家から荷物が届く。
アスカは夕方に実家から荷物が届くらしく、それまで僕の部屋で荷ほどきを手伝ってくれるとのこと。
アスカの家は僕の家からちょっと離れた場所にある、セキュリティ完備の豪華なマンションだ。
本当はアスカと同棲したかったけど、それは僕のおばさんもアスカの母さんも許してくれそうになかったのでやむなく断念。社会人になるまでお預けかな。
あ、アスカからメールが返ってきた。どれどれ…『今から行くわ、途中で雑巾買っていくからちょっち遅れる』
思わずニヤけてしまった。掃除なんて自分でやるのに、まったくお節介なんだからアスカは。
でもそういうところがすごく可愛いんだ。『うんありがとう、待ってるね』…と。

469: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/12(土) 02:29:45.97 ID:???
>>468
ここにテレビを置いて机はここで…タンスはここがいいかな。
家具をどこに配置しようかしばらく考えていると、外から「キィー」という聞き慣れた自転車のブレーキ音がした。
この音はアスカだ!窓を開けたら、自転車から降りるアスカの姿があった。
シンジ「アスカ!ここだよ、あがっておいで」
あれ、よく見るとカゴになにやら物が詰まってそうな鞄が。その鞄を持って、アスカがこちらに歩いてきた。
アスカ「一階は楽でいいわね、お邪魔するわよ」
シンジ「いらっしゃい、玄関からはいっておいで」
僕は急いで玄関に移動し、アスカを出迎えた。
アスカ「はいるわよー」ガチャ
シンジ「おかえりアスカ…じゃなかった、いらっしゃい、アスカ」
アスカ「ただいま…じゃなかった、お邪魔しま~す♪」
あれ、なんでおかえりって言っちゃったんだろう。アスカもただいまって…。なんだか同居してるみたいな感覚で嬉しい気分。
アスカ「あら、意外と部屋の中は綺麗なのね」
シンジ「でしょ?ところでアスカ…その鞄は?」
アスカ「ああこれね、着替えとか色々よ」
シンジ「へ?着替え…?」
アスカ「あたしの手違いで引っ越し屋さんが来るの明後日になっちゃったのよ。
寮で使ってた布団は処分しちゃったから、寝床がないの。だから2日間シンジの部屋に泊めてもらうわよ」
シンジ「ええー!?そんないきなり…!」
突然の話にびっくりどきどき。いきなりアスカがお泊まりだなんて。この部屋に布団は一つしかないのに。
たしかに寮に住んでた頃は、アスカと一枚の布団に寝そべってイチャイチャしてたけど…
アスカと一夜を共に過ごしたことなんてまだないし…

473: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/13(日) 21:17:15.53 ID:???
>>469
それに手違いで届け日を間違えたりするかな普通…もしかして確信犯?一瞬の内に色々な思いが頭を駆け巡る。
アスカ「なによ、あたしに野宿させるつもり?」
シンジ「いや、そうじゃないけど…その…急だったからびっくりしてさ」
アスカ「じゃあ泊まっていいわよね?」
シンジ「えっと…布団は一式しかないけど…それでもいい?」
アスカ「あんたは床で寝なさい、この時期なら厚着すれば大丈夫よ」
シンジ「えーそんなぁ!」
アスカ「冗談よ、一緒に寝ましょ、シンジ」
シンジ「一緒に…」ゴクリ
アスカ「宿泊費は体で払うから…ね?アレ…用意してある?」
シンジ「なっ…!」
顔が一気に熱くなるのを感じた。ついにこの時がきたんだ…僕もいよいよ今日、大人になるんだ。
ずっとアスカと約束していたことがある。大学生になるまで本番はお預けにしようって。
それが今夜、ついに叶う!僕の鬱積したリビドーをついにアスカに解き放てるんだ!
アスカ「なーんてね、冗談よ冗談wまた耳まで赤くしちゃってw」
……今まで数あるアスカの冗談の中でも一番凹む冗談だ。
暴走状態にあった僕のソレは、みるみるうちに萎んでいった。
シンジ「ひどいよアスカ…本気にしちゃったじゃないか」
アスカ「まだ大学生じゃないでしょ、もう少しの辛抱よ!我慢しなさい」
シンジ「たしかに3月いっぱいまで高校生だけどさ…orz」
アスカ「んもーすぐ落ち込むんだから。掃除と荷ほどき手伝ってあげるから元気出しなさい。それが宿泊費代わりよ」

474: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/13(日) 21:21:43.97 ID:???
>>473
うう…随分と宿泊費が安くなったなぁ。でもあと少し…あと少しで大学生なんだ。頑張ろう…!
シンジ「ありがとう。でもすごい綺麗だよこの部屋。クリーニングの業者さんが丁寧に掃除してくれたみたいだし」
アスカ「お風呂は…と。ん、たしかに綺麗にしてあるわね。かなり狭いけど」
シンジ「仕方ないだろ、家賃安いんだし」
アスカ「まぁ一人ではいるなら十分ね」
シンジ「え…二人ではいるつもりだったの…?」ドキドキ
アスカ「トイレも良し、キッチンも良し、ん。合格!」
って、聞いてないし…。
シンジ「じゃあ掃除はいいかな。今は11時半か…荷物届くまであと一時間くらいかかりそうだ」
アスカ「シンジーお腹すいたぁー」
シンジ「お昼どうしよう?どこか食べに行こっか?」
アスカ「ミサトを部屋から追い出すのに疲れたからもう動きたくない」
部屋のど真ん中で大の字になって寝そべるアスカ。
シンジ「え、ミサトさんそんなにアスカの部屋が気に入ったんだw」
アスカ「なんかね、『アスカと同じ部屋にいると懐かしい気分になる』とか言って、なかなか出てってくれなかったのよ」
シンジ「へぇー、ただアスカの部屋でくつろぎたかっただけだったりしてw」
アスカ「寝そべったまま動かないもんだから、引きずって追い出したわw」
シンジ「それは大変だったね…じゃあ僕、コンビニでなにか買ってくるよ。アスカはなにが欲しい?」
アスカ「あたしも行くわ、後ろ乗せてって」
シンジ「えっ?あ…うん、いいよ」
僕がそう言うと、すくっと立ち上がってぴょんぴょん跳ねて喜ぶアスカ。本当に疲れてるのかな?w

475: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/13(日) 22:18:09.38 ID:???
>>474
アスカ「じゃあ出発ぅー♪」
外に出て自転車に乗る。久しぶりの二人乗りでちょっとドキドキ。
アスカが荷台に座ると、僕の肩に手を置いてきた。
シン「ちょっ、肩はくすぐったいってばアスカw」
アスカ「まったく、くすぐったがりやなんだから」
アスカが腕を僕のお腹に回して、ピトッとくっついてきた。
わ、すごい柔らかい………僕の背中にアスカの胸が押しつけられている。
道路の小さな段差を通過する度に、プルッと揺れるのが伝わる。
この前二人乗りした時はここまで感触が伝わってこなかったし…また成長したんだ…嬉しい。
三年前は柔らかさすら感じなかったっけ。月日の経過をしみじみと実感する。
アスカ「ちょっとシンジ!!」
シンジ「えっ…あっ!!」
意識が完全に背中に逸れていて前をよく見ていなかった。
アスカの声に反応して慌ててブレーキをかけるが間に合わず…。

「ズリュッ」
うわ、やってしまった…背中に伝わる柔らかさとは真逆の、最悪な柔らかい感触。
アスカ「あーあ…踏んじゃった」
シンジ「犬のフン…なんでこんなところに…」
アスカ「ちゃんと前向いて漕ぎなさいよバカシンジ!」
シンジ「ごめん…うっかりしてたよ」
危ない危ない…まだ犬のフンでよかったよ。気をつけなくちゃ。背中は気にしない、気にしない。
アスカ「んもー、危なっかしいったらありゃしない!交代するわよ」
シンジ「え?」
アスカ「ほら、さっさと降りて」
シンジ「アスカが漕いでくれるの?」
アスカ「そうよ、あんた遅いんだもん」

476: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/13(日) 22:57:18.99 ID:???
>>475
シンジ「ごめん…じゃあお願いするよ」
お互いに自転車から降りて交代する。荷台に座ると、目の前にアスカの背中。
僕がアスカの後ろに乗せてもらったことって、いつぶりだろう。
アスカ「じゃあいくわよ、しっかり掴まってなさい!」
シンジ「う、うん!」
ぎゅっと肩を掴んで、アスカの背中に体を密着させると、勢いよく漕ぎはじめた。
風でアスカの髪の毛が靡いて、僕の顔をファサファサと撫でる。あぁいい匂い…。
アスカ「どお?あたしの走りは?」
シンジ「ちょっと怖いよアスカっ…」
どんどん加速していく。まずい、振り落とされそう!とっさに肩から手を離しお腹に手を回すと、急にアスカがフラついた。
アスカ「きゃっ!ちょっとなにすんのよっ!」
シンジ「えっ!?」
アスカ「それくすぐったいって前に言ったでしょ…バカ」
そっか、アスカはこれがだめなんだっけ。アスカだってくすぐったがりやじゃないかw
シンジ「ごめん、もう少しゆっくり漕いでほしいな…」
アスカ「しょうがないわねぇ」
再び漕ぎはじめ、しばらくアスカと談笑しているうちに、コンビニに到着した。
ハンバーグ弁当を二つとお茶を二本買ってコンビニを後にし、またアスカの後ろに乗せてもらって帰路に着いた。

477: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/13(日) 23:33:30.07 ID:???
>>476
アスカ「あつぅーい!」
アパートに帰ってきて部屋に着くなり、上着を脱いでキャミソール一枚になるアスカ。思わず凝視してしまう。
アスカ「なによジーッと見てきて、あんたまさか変なこと考えてないでしょうね?」
シンジ「そ、そんなわけないだろ!」
アスカ「いきなり襲ってきたら思いっきり叫んでやるんだから」
シンジ「だからしないよそんなことはwあ、はやくお弁当食べないと冷めちゃうよ」
アスカ「それもそうね、いただきまーす♪」
シンジ「いただきます!」
アスカ「もぐもぐ」
シンジ「美味しい?」
アスカ「うーん、まぁまぁね」
そうだ、寮と違ってここにはコンロがあるじゃないか!
アスカに美味しい料理を作ってあげたい。ハンバーグなら僕にだって作れるし。
シンジ「今度、僕がハンバーグ作ってあげるよ!」
アスカ「ほんと?わーい♪シンジの手作りハンバーグ♪」
子供みたいにはしゃいじゃって…可愛い。
アスカの笑顔を見ると、すごく幸せな気分になれる。よし、これからいっぱい料理つくって、アスカを笑顔にさせるぞ!
アスカ「ちょっとシンジ、ほっぺにソースついてるわよ」
シンジ「えっほんと?ティッシュどこだっけ…あれ、ないや。水で洗おう」
蛇口をひねって、あることに気づく。まだ電気ガス水道が繋がってなかった!!
シンジ「あちゃー忘れてた…業者さんに連絡しないと…」
アスカ「まったくドジなんだから…ほら、こっち向きなさい」
シンジ「?」
アスカ「…ペロッ」
シンジ「ひゃっ!?」
僕の頬についたソースをアスカが舌で掬いとった。
アスカ「ふふ…おいし」
ペロリと舌を出して、ニヤッと笑うアスカ。あらら、今のペロリでアスカの唇にもソースがついちゃった。

478: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/14(月) 00:16:04.28 ID:???
>>477
シンジ「びっくりしたなぁもう…アスカも唇の上にソースついてるよ」
アスカ「拭いて?」
シンジ「え?」
アスカ「あたしがシンジにしたみたいに、あんたもして」
そう言うと、唇を尖らせて寄ってくる。あぁ…アスカの可愛いお口。
もう我慢できるわけがない。次の瞬間、僕の唇は吸い寄せられようにアスカの唇と重なっていた。
アスカ「んっ」
シンジ「チュッ」
キスしたままアスカを抱きしめる。アスカの体の力がヘナへナと抜けていくのを感じた。
アスカ「んんっ…チュッ…はぁ」
シンジ「チュッ…チュッ」
寮から持ってきた僅かな荷物以外、なにもない部屋。音がいつも以上に響き渡る。
アスカの腰がガクッと落ちて、床に仰向けになって倒れこむ。
僕は唇を離さず、一緒になってアスカの上に倒れこんだ。
アスカ「んふっ…ふぁっ…」
シンジ「はぁっ…チュッ…」
アスカの手に僕の手を近づけると、ギュッと握り返してくれた。
僕はふと、アスカと最初に出会った駅でのことを思い出した。
あの時も僕が手を差し出して、アスカが握ってくれたんだ。
それから何度手を握ったか数えきれないけど、とにかくこうして手を繋ぐと、なんともいえない幸福感に満たされる。
もうすっかりお互いに熱しきってしまった。外から何か音が聞こえた気がするが、そんなことどうでもいい。
アスカ「シンジ……シンジぃ…」
シンジ「アスカ…」
気づくと僕はアスカのキャミソールを脱がし、ブラのホックに手をかけていた。

479: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/14(月) 02:01:52.92 ID:???
>>478
その時、ドアの向こうから声が聞こえてきた。
「こんにちは!○○運送ですが碇さんのお宅ですか?」
シンジ・アスカ「「あっ…」」
僕達は一気に現実に戻された。時計を見ると12時35分を指している。
アスカに夢中になっていて引っ越し業者が来ることをすっかり忘れてしまっていた。
僕は慌ててアスカにキャミソールを着させ、玄関に出向いた。

シンジ「あっすいません今開けます!」ガチャ
業者「あ、どうも○○運送です。碇シンジさんでよろしかったですか?」
シンジ「はいそうです」
業者「では荷物が届いておりますので、早速運びますね」
シンジ「はい、お願いします」
業者がトラックに戻っていった。部屋のほうを振り返ると、アスカがぷくーっと頬を膨らませていた。
シンジ「アスカごめんよ、途中だったのに…」
アスカ「また邪魔された…はぁ…」
シンジ「またって…今までこういうことしてて、中断したことあったっけ?」
アスカ「あら?なかったかしら」
シンジ「あれ、あったかもしれない…僕もなんか覚えがあるような…思い出せないや」
業者「では部屋の中に運んでいきますね!」
シンジ「あ、はい!お願いします!」
次々と置かれていく段ボール。あれ、こんなにあったっけ…?
テーブルにタンスにテレビに絨毯など、どんどん運ばれてくる。
なんだか業者の人がチラチラ僕とアスカを、特に僕を見てる気がする。気のせいかな?
あっという間に全て運び終わり、会計を済ませると業者さんは忙しそうにまた去っていった。

481: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/14(月) 19:19:36.77 ID:???
>>479
部屋へ戻る途中、ふとお風呂場の鏡に目をやると、首になにかついている。
あれ?近づいてよく見ると、思わず叫んでしまった。
シンジ「あぁっ!!アスカ!」
アスカ「どうしたのよ?」
シンジ「キスマーク…首にいくつも…全然気づかなかった…」
アスカ「大丈夫、すぐに消えるわよ」
シンジ「業者さん、僕のほうチラチラ見てくるからなんだろうと思ったら、これか…恥ずかしい…orz」
アスカ「ふふ、マーキングよ♪」チュッ
アスカが僕に抱きついて、また首筋にキスしてくる。僕達は、またさっきの二人の時間に戻っていた。
シンジ「僕だけじゃ不公平だよ…」チュッ
アスカ「あっ…」
シンジ「ちゅっ」
アスカ「ちょっとやだ、荷物はどうすんのよ…んっ」
シンジ「後でやればいいよ。それより今はさっきの続きがしたいんだ」
アスカ「ばかぁ…」
シンジ「アスカ、大好き」
アスカ「あたしもシンジ大好き…」
シンジ「ちゅっ」
アスカ「んっ…ちゅっ」
昼も過ぎて陽が昇り、窓から光がはいりこむ。とろんとした表情のアスカが、すごく眩しい。
眩しい…?あっ!!そういえばカーテンしてなかった!!これじゃ丸見えじゃないか!!
シンジ「アスカ…あの…カーテンしてなかった…」
アスカ「ん…誰も見てないわよ…ちゅっ」
だめだ、完全にアスカがスイッチはいっちゃってる。
アスカには悪いけど、さすがに誰かに見られたらまずいから、カーテンだけとりあえずつけないと…。
シンジ「ごめんアスカ、ちょっとカーテンだけ付けさせてもらうね」
アスカ「うー…」
涙目になって首を横に振るアスカ。可愛いな…。そんなに中断したくないんだね…嬉しい。
僕はアスカをぎゅっと抱きしめてから、山積みになった荷物と対峙した。

482: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/14(月) 20:06:54.75 ID:???
>>481
シンジ「えーっとカーテンがはいってる段ボールは…これか」
アスカ「あたしが開けてあげる」
シンジ「ん、ありがとう」
素早くガムテープをはがして中のカーテンを取り出すアスカ。
アスカ「紫と緑って…趣味悪いわね、あんた」
シンジ「そうかな、僕は結構気に入ったんだけど」
アスカ「じゃあつけるわよ!」
シンジ「うんっ」
二人で協力して、カーテンをとりつけた。部屋が少し暗くなったな…電気つけよう。
って…また忘れてた!電気繋がってないんだった。電気ガス水道の業者さんに連絡しないと。
急いで電話する。どの会社も、一時間以内に来てくれるとのこと。
シンジ「ふぅ、はやく気づいてよかった…」
アスカ「あやうく真っ暗な夜を過ごすはめになるとこだったわ」
シンジ「一応懐中電灯はあったけどねw」
アスカ「暗闇…懐中電灯…?」
シンジ「あ…暗闇…懐中電灯…」
アスカ「(急にシンジにキスしたくなっちゃった…)」
シンジ「(急にアスカにキスされたくなってきた…)」
アスカ「ま、まぁいいわ、はやく荷物片付けちゃいましょ」
シンジ「そ、そうだね、手伝ってくれてありがとう」
暗闇と懐中電灯を想像したら、キスを連想してしまった…アスカももしかして…?
でも業者がすぐに来るんじゃ、イチャイチャできないよな…まぁ夜までのお預けってことで、今は荷物を整理しよう。
アスカ「すごい、レトルトがどっさり」
シンジ「あれ、僕こんなのいれた覚えないよ」
アスカが段ボールを開けると、カップ麺や缶詰めがたくさん。
おばさんが気を効かせてくれたのかな…食品はいらないって言ったのに。
でも、すごい助かるよ。ありがとうおばさん。今度実家に帰省する時は、たくさんお土産もって帰ろ。

483: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/14(月) 21:02:24.80 ID:???
>>482
アスカ「こっちは飲み物だわ」
シンジ「あっほんとだ…これも僕知らないや」
やけに段ボールが多いと思ったら、やっぱり増えてたんだ。
2Lのペットボトルがたくさん。もうしばらくはどこにも買い物行かなくても暮らしていけそうだw
アスカ「先に絨毯敷くわよ」
シンジ「うん」
アスカ「ちょっと、そこ少しずれてるわよ」
シンジ「そ、そうかなぁ?」
アスカ「そこ折り曲げたらシワになるじゃない!もっときちんと敷きなさいよ」
シンジ「ご、ごめん…これでいいかな」
お節介なアスカに色々言われながらも、どんどん作業は進んでいく。
それにしても思ったより時間かかるな…アスカがいなかったら今日中に終わらなかったかもしれない。本当に感謝だよ。
それから業者が来て、ようやく電気ガス水道が繋がった。

気づけば、日も暮れる夕方5時。まだ荷物は全て片づいてはいないものの、もうヘトヘト。
アスカ「あー、疲れたぁ…足が痛い…」
シンジ「疲れたね…ちょっと休憩しよっか。アスカ手伝ってくれてありがとう」
アスカ「ちょっとシンジ、あたしにマッサージしなさいよ」
シンジ「ええ…僕も休みたいんだけど…」
アスカ「あんた大して動いてないでしょ!はやくしなさいよね」
そう言って絨毯の上にうつ伏せになって横になるアスカ。
アスカが動きすぎなんだよwでも、たくさん頑張ってくれたんだしご褒美してあげなきゃね。
シンジ「わ、すごい筋肉が張ってる…ほぐさないと。痛かったら言ってね?」
アスカ「あぁ…いぃ…」
ふくらはぎを揉みほぐすと、体をくねらせて悶えるアスカ。ちょっといやらしく見えてしまう。
だんだん上のほうに移動して、内腿も指圧する。すごいスベスベで綺麗な脚。
アスカはミニスカートを穿いているから、下着が見えてしまいそう。見ちゃだめだ、見ちゃだめだ…。

485: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/14(月) 21:43:56.54 ID:???
>>483
アスカ「あっ…んっ…効くぅ…」
そうやってくねくねするとスカートの中身が…あっ見えた!
下着姿のアスカなんて見慣れてるけど、こういうシチュエーションだと
チラッと見えるだけど興奮してくる…不思議だ。
アスカ「あぅー…もういいわ…ありがと…」
シンジ「どう?ほぐれた感じする?」
アスカ「うん…すごいよかった…」
起き上がると、アスカの口元によだれが。すぐに気づいて、手で拭った。そんなに気持ちよかったんだw
アスカ「もう残りの荷物は明日にしましょ」
シンジ「そうだね、今日はもう疲れたしのんびりしよっか」
アスカ「夕飯どうする?」
シンジ「うーん、レトルトじゃだめかな?」
アスカ「シンジの手料理がいいなぁ」
擦り寄ってきて、上目遣いで僕を覗いてくる。
それは反則だよアスカ…そんな目で見つめられたら、断れっこないよ。
シンジ「分かったよ、じゃあスーパーに食材買いに行こうか」
アスカ「んー、やっぱりあんた疲れてそうだし、今日は勘弁してあげる。その代わり明日は頼むわよ!」
アスカはいつも、なんだかんだで僕のことを気遣ってくれるんだ。
シンジ「ありがとう、明日は引っ越し祝いということで、美味しいハンバーグを作るからね」
アスカ「ん、楽しみにしてるわよ♪」
早速、夕飯の準備にとりかかる。
夕飯といっても、レトルトご飯をレンジでチン、おかずの牛丼レトルトを熱湯で温めるだけなんだけど。
これだけじゃ物足りないから、カップラーメンも作る。
レトルトオンリーだけど、そのぶん明日は野菜をたくさん摂ろう。

486: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/14(月) 23:13:57.43 ID:???
>>485
シンジ「アスカ、できたよー」
アスカ「もうお腹ペコペコよ」
こたつテーブルにカップラーメンと牛丼を2つずつ並べる。
たくさん動いたあとだから、すごく美味しそうに見える。
シンジ「じゃあ、いただきます!」
アスカ「いただきまーす♪」
今日は朝から慌ただしかったけど、ようやく落ち着いてご飯を食べられる。
そういえば、アスカとこうして部屋で夕飯の一時を過ごすことって、これが初めてな気がする。
寮では平日は夕飯が用意されてたし、休日にデートする時はずっと外食だったし。
でも、全然初めてという気がしない。なんか、これが当たり前っていうか…。
アスカ「なんか二人でテーブルを囲ってご飯食べてると、同居してるって感じがするわね」
シンジ「うん…なんだか懐かしいような…新鮮さがないというか。」
アスカ「なによそれ!失礼しちゃうわね」
シンジ「いやその…僕は昔、こうしてアスカと同じ家に暮らしていて、同じ釜のご飯を食べていたような…」
アスカ「なにそれ、前世の記憶ってやつ?w」
シンジ「多分気のせいだと思う。でも前世の記憶だったら、僕達結婚してたってことだよね。同居してるんだし」
アスカ「分からないわよ、中学生でも色んな事情で同居してたかもしれないし」
シンジ「なんにしても、前世の記憶だったらいいなぁ…」
アスカ「むー、あんただけ記憶もっててずるい!」
シンジ「いや、まだ前世の記憶だと決まったわけじゃないしw」
アスカ「……言われてみれば、なんか…懐かしい感じ…」
シンジ「ほんと?じゃあやっぱり前世の記憶なんだ!」
アスカ「けど…レトルト食品を食べると、シンジの顔よりミサトの顔が思い浮かぶわね」
シンジ「えっミサト先生?なんでだろう…?」
アスカ「やっぱりシンジの手料理がいい!」

488: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/15(火) 00:11:11.93 ID:???
>>486
シンジ「分かってるよ。明日必ず作るから、今日はこれで我慢してね」
アスカ「そうすれば何か思い出すかも…」
シンジ「ほんとに?じゃあアスカのためにたくさん料理つくるよ」
アスカ「ま、前世がどうであれ、あたし達に大切なのはこれからの未来なんだからね!」
シンジ「うん、そうだね…これからたくさん、二人で思い出をつくっていこう」
アスカも不思議な気分になったってことは…やっぱり前世の記憶なのかな?
とにかく、そういう感覚を共有できるのはすごく嬉しい。
夕飯も食べ終えて、のんびりとテレビのクイズ番組でも見る。
寮にいた頃は、こうしてゆっくり部屋で二人で過ごすことができなかったから、今の環境は夢みたいだ。
アスカ「三番じゃない?」
シンジ「二番のような気がする」
アスカ「やっぱり三番じゃない。ふふん」
シンジ「ほんとだ、アスカ凄いや」
こんな会話だけでも、すごく幸せな気分になれる。
これから四年間、ずっとこんな生活ができると思うと、喜びで胸がいっぱいになる。
いや、四年だけじゃない、その先もずっとずっとアスカと…。
アスカ「シンジ、お風呂は?」
シンジ「まだ7時だけど、もうはいりたい?」
アスカ「うん、先にはいってあとは寝るだけにしておきたいわ」
シンジ「じゃあ、お湯張ってくるね」
アスカ「ぬるま湯で頼むわよ」
シンジ「分かってるよ」
お風呂場に向かって、蛇口をひねりお湯を張る。僕はアスカの残り湯に浸かることになるんだ…ちょっとドキドキ。
シンジ「あと15分くらいではいれると思うよ」
アスカ「シンジ、一緒にお風呂はいりましょ♪」
シンジ「えっ!?」
なっ…!だ、騙されないぞ!また冗談に決まってる。
でも…アスカと添い風呂なんて…考えただけで…。
アスカの裸はもう見慣れてるけど、お風呂となると訳が違う。

489: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/15(火) 00:31:54.14 ID:???
>>488
アスカ「なに?あたしとお風呂はいるの嫌?」
シンジ「い、嫌じゃないけど…その…もちろん裸で…だよね?」
アスカ「エッチィ!ちゃんと水着用意してきたんだから!」
な、なんだ…そうだよね。ちょっと残念。でも冗談じゃなかったんだ。
それにしても水着って…よく二人でプール行った時に着てたビキニかな?
アスカ「着替えてくるから楽しみに待ってなさい♪」
そう言って、アスカは鞄を持って浴室にはいっていった。
しばらくすると、アスカが出てきた。その姿に、僕は驚愕した。
アスカ「うふん、どーぉ?」
スクール水着!!不意打ちだった…スク水姿のアスカは、今まで見たことがなかった。
水着の生地がアスカの体に食い込んで、ボディラインがくっきり。これ裸よりエロいよ!!!僕は釘付けになってしまった。
シンジ「アスカっ、そ、その水着は…その…どこで…?」
アスカ「高一の時に体育の授業で着たやつよ、さすがにキッツキツね…いやーんな感じ…」
そっか、体育は男女別だから僕が見たことないはずだ。
それにしても刺激が半端じゃない。僕はフラフラとアスカのほうに近寄っていった。
シンジ「すごい…すごいよアスカ…」
アスカ「ちょっとやだ、そんなにジロジロ見ないでよ…」
シンジ「こんな格好してるアスカがいけないんだ…はぁ…」
アスカ「バカッ…近いって…」
ピッチピチのスク水。アスカのくびれ、胸、オヘソまで形がくっきり浮き出ている。
じっくり舐めるように見渡す。あぁ、お尻もすごい…!!僕はすっかり理性を失い、アスカの体に夢中になっていた。
アスカ「やだ、シンジ…そんな見ちゃだめったらぁ…」

490: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/15(火) 01:05:10.07 ID:???
>>489
アスカの体に触れようとしたその時、僕は妙な胸騒ぎに襲われた。
水着…ピチピチ…くっきり…スーツ…プラグ…スーツ…?
はっ!!突然、脳裏に病院のベッドで寝たきりになっているアスカが浮かんできた。
次に浮かんだのは、白い怪物にアスカが襲われている図。
そのアスカが着ているのは、ボディラインがくっきり浮かんだ赤いスーツ。
シンジ「うっ…くっ…」
アスカ「シンジ?どうしたの?あたしに見とれて鼻血でも出た?w」
シンジ「だ、だめだ…アスカ…それを着てちゃだめだ…もうアスカはそれを着なくていいんだ…」
とても嫌な予感がした。アスカがこれを着ていると、またアスカが危ない目に遭うような気がして…。
アスカ「ちょっと、なんなのよシンジ…」
シンジ「アスカ、今すぐ水着を脱いで…お願いだよ…」
アスカ「エッチィ!!……っ!?」
シンジ「アスカ!!」
アスカが胸を押さえはじめた。大変だ!僕は慌ててアスカの背中を擦る。
アスカ「うっ…苦しい…心が締め付けられてる感じ…シンジ…助けてっ…!」
切なそうに訴えるアスカ。明らかに異変だ。もう気にしていられない。僕はアスカの水着に手をかけ、脱がしはじめた。
アスカ「シンジ…痛い…心が痛いよっ…シンジぃっ…」
シンジ「大丈夫、大丈夫だよアスカ。落ち着いて。ゆっくり深呼吸して…」
水着を胸元まで一気に脱がすと、アスカの豊満な胸がぶるんっと勢いよく姿を現した。
けど、そんなこと気にしてられない。手荒くてごめんよアスカ!
アスカ「はぁっ…うぅっ…シンジっ…シンジっ…はぁっ…」
だんだん息が荒くなってきた。すごく切なそうだ…でももう少し。頑張れアスカ…!
サイズが小さいから、脱がせるのもすごくキツい。よいしょ、よいしょ、よし!脱げた!

492: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/15(火) 02:15:04.01 ID:???
>>490
アスカ「シンジっ……」
シンジ「もう大丈夫…もう大丈夫だよアスカ…」
その場にへたりこむアスカ。僕はそっと寄り添って、アスカの髪の毛を撫でる。
アスカ「はぁ…急に苦しくなって…シンジ…ありがと…助かったわ…」
シンジ「よかった…僕、アスカの水着姿をじっと見てたら、胸騒ぎがしたんだ…」
アスカ「あたしも…水着を意識したら、急に体が締めつけられるように痛くなって…」
シンジ「うん…もう痛くない?大丈夫?」
アスカ「うん、シンジが守ってくれたから…もう平気よ…」
シンジ「そっか…ごめんよアスカ、脱がす時に痛くなかった?」
アスカ「ううん……あっ!」
慌てて恥ずかしそうに胸を手で隠すアスカ。
あっ…必死になってて意識してなかったけど、そういえば今のアスカは生まれたままの姿だった…。
アスカ「きゃっ…ちょっとシンジ、あっち向いてて!」
シンジ「う、うんっ!」
すると、アスカは浴室のドアをバタン!と閉めてまた中にはいっていった。
もうアスカの裸が目蓋に焼きついちゃったよ…。
アスカ「シンジー、覗かないでよね」
シンジ「の、覗かないよ!」
すぐにアスカは浴室から出てきた。Tシャツにパンツ一枚という格好。なんでいちいちきわどいんだよ!
ひょっとして誘ってるの?すごくドキドキしてきた。
アスカ「裸でうろつくわけにはいかないし、一応着てきたわ」
シンジ「ちょっ…目のやり場に困るよアスカ…せめてズボン穿いてよ…」
アスカ「えー、あたし寝る時はいつもこの格好なんだけど」
シンジ「お風呂は…?」
アスカ「また後にするわ。今のですごいぐったりしちゃったし」
シンジ「そっか、待っててね。今、布団敷くよ」

493: 名無しが氏んでも代わりはいるもの 2014/04/15(火) 02:48:15.95 ID:???
>>492
お風呂の蛇口を止め、部屋の隅に布団を敷くと、すぐにアスカが飛び込んだ。
アスカ「あー快適、快適♪」
僕は布団の横に座ってアスカを眺める。まるで子供みたいに布団に転がるアスカ。可愛らしいなぁ。
胸がたぷんたぷん揺れて、思わず凝視してしまう。
アスカ「それにしても、あの水着呪われてるんじゃないかしら?もう捨てることにしたわ」
シンジ「うん、それがいいかもねw」
アスカ「でも今日はお風呂一緒にはいるんだからね!」
シンジ「ってことは…裸で…?」
アスカ「それ以外になにがあるってのよ」
シンジ「そ、そうだよね…うん、一緒にはいろう」
ま、まずい…絶対にのぼせそうだ。でもすごい楽しみ…アスカと添い風呂…あぁみなぎってきた!
アスカ「シンジ、さっきはほんとにありがと」
シンジ「うん、アスカが無事で本当によかった…」
アスカ「これからもあたしを守ってよね」
シンジ「うん、約束するよ…これからずっと、ずっとアスカを守るから!」
アスカ「ん、言ったわね?一生あたしを守ること。いい?」
シンジ「うん、約束するよ。一生…いや、生まれ変わってもまたアスカを見つけ出して、ずっと守る!」
アスカ「ん……指切りげんまんよ。」
シンジ「うん……」
小指と小指を交えて、誓いのサイン。アスカはそのまま指をグイッと引っ張って、僕は布団に引き込まれた。
その指は、アスカの胸元に導かれた。
シンジ「アスカ……?」
アスカ「シンジ…今度は優しく脱がしてよね……」
僕の中で何かが切れる音がした。ごめんアスカ…本番は大学生になるまでお預けの約束、守れそうにないや…。
こうして僕達の初めての夜が、幕を開けた。
END

501: atlas 2014/04/18(金) 23:43:32.62 ID:???
投下します
まだ話の流れ決まってません
いつ頃終わるか分かりません
アスカ一人称ですが、あるLAS作家さんを手本としていますがうまくいきません
キモいとか思わないであげてください
気長に書いていきたいと思います
よろしくお願いします


あたしは、惣流・アスカ・ラングレー。
今年、明城学院に入学したの。
彼氏はいないけど、気になってる男子なら一応いるかな。
その男子とは入試の日に出会ったの。
その日は体が押しつぶされるくらいの満員電車で、あたしは降りる駅に着いたのに人が邪魔で降りれないでいたわ。
そんなのとき、あたしに手を差し出してくれたのが、あいつだった。
あたしは助けてもらっちゃったんだから、ちゃんとありがとうって言った。
でもあいつは「君、前にどっかで会ったこと……ない……?」なんてナンパみたいなことを言ってきた。
顔もなかなか良いし、あたしを助けてくれるくらいなんだから良い男子だなって思った矢先のあいつからの言葉がそれだったから少しがっかりした。
あ~あ。この男子も中学の頃のバカみたいな男子と同じか。

502: atlas 2014/04/18(金) 23:45:13.66 ID:???
自慢じゃないけれど、中学生のとき、あたしはよく告白された。
あたしは直接告白してくる男子には丁重にお断りしたけれど、下駄箱に手紙を入れてくる男子には何もしなかった。
いつも、下駄箱の扉を開けた瞬間に流れ落ちてくる手紙を踏みつけた。
だって、手紙を入れるときあたしの靴に何かしたんじゃないかと思うと気持ち悪かったから。
そんな奴よりは直接告白してくる方が全然良かった。
でも、どちらにせよ、あたしは断り続けた。
あたしとあたしの両親はあたしが中学を卒業したら、パパの故郷であり、ママ方のグランマの住んでいるドイツに行くことになっていたから。
でも、恥ずかしいことにあたしはドイツ語が話せない。
日本生まれの日本育ちなんだもん。
しょうがないじゃん。
だからせめてと思って英語は頑張ってママやパパから教わって勉強した。
テスト勉強にもなるしね。
そのおかげで、あたしの髪の毛や顔立ちを見て「英語話してみて」って言ってくる人には流暢な英語で返答できた。

話が逸れたわ。
つまるところ、あたしは中学卒業後、ドイツに行く予定だったから別れなければならないなら男子と付き合いたくなんかなかった。
幸いなのか不幸なのか、あたしに告白してくる男子の中にはあたしが「日本で彼と一緒に暮らす!」って言い出すくらいの男子はいなかった。
しかしあたしがドイツ語を全く話せない状況を考慮して、ママとパパだけが先にドイツに行って、あたしは一人で日本に残り、明城学院の寮で高校三年間を過ごして、ドイツで再会することにしたの。
ひどいことに毎日ドイツ語を勉強するのを義務づけられたのよ!

503: atlas 2014/04/18(金) 23:46:32.51 ID:???
話をあいつの話に戻すわ。
あたしはあいつも中学の頃の男子と同じか、って思ったの。
まぁ、これっきりで2度と会うこともないのかもね、って。
でも、あいつから離れて行けば行くほどあいつが頭に浮かんできたの。
あの中性的で綺麗な顔、手袋越しだけど暖かかったあの手ーーー。
入試を受けているときも忘れられなかった。
方程式を解きながらあいつのことを考えた。
「あぶる」っていう漢字を思い出しながらあいつのことを考えた。(当然、正解したわよ!『炙る』でしょ!)
冠位十二階の最上位の色を思い出しながらあいつのことを考えた。(紫!)
酸化銅の還元の問題を解きながらあいつのことを考えた。
英語のリスニングをしながらあいつのことを考えた。『I love you』『…you're kidding』

504: atlas 2014/04/18(金) 23:47:52.18 ID:???
まあ、あいつのことを考えながらも入学できるのがあたしよね。
そして、合格が分かるといい歳してぴったりと腕を組んで手荷物検査へと向かっていくママとパパを見送って、寮に入った。
寮は想像よりは綺麗なところだった。
何より一人部屋なのが良い。
2人部屋でも良いけど、やっぱり一人になりたいときだってあるもの。

505: atlas 2014/04/18(金) 23:49:08.67 ID:???
入学式の前。
あたしは1-A組になったからそこの自分の席に座っていた。
寮生のあたしは少し遅く教室に入った。
だからあたしの前には何人もの生徒が教室に入っていた。
静かな教室。空気が重い。
まぁ仕方ないわよね。
でも、それより教室に入ってきたあたしをジロジロ見る目があたしは嫌だった。
物珍しそうにあたしを見る目、いやらしい目であたしを見る目。
どこでも変わらない。
教室の後ろの方には生徒たちの両親がいて、その人たちもあたしをジロジロ見た。
中学のときはママがいたから心細くなかったけど、今はママはいない。
今頃ドイツでパパの隣で気持ち良さそうに寝ているんだろう。
あたしはできる限り気にしてないという顔で自分の席に向かい、座った。
あたしの隣は碇シンジっていう男子だった。
このクラスは、か行の苗字が少ないのね。
まだ碇シンジはいなかった。
良い男子なら良いな、とあたしは思いながら静かに座っていた。

506: atlas 2014/04/18(金) 23:50:33.35 ID:???
担任の教師が教室に入ってくるちょっと前に碇シンジは来た。
あたしは碇シンジが席に座ったら話しかけようと思っていて、気がつかないふりをしていた。
しかし、碇シンジは席のすぐ近くにいるにも関わらず、座ろうとしなかった。
あたしは我慢出来ずに碇シンジを見た。

「あ……」

碇シンジは、この前のナンパ男だった。

「…なんだ、あんたもここを受験してたの」

「う、うん」

507: atlas 2014/04/18(金) 23:51:05.50 ID:???
あたしは「う、うん」というのを聞いて
碇シンジはあたしをナンパする気なんかなかったんじゃないか、と思った。
あのとき言った「君、前にどっかで会ったこと……ない……?」っていうのも本当に会ったことがあった気がしたんじゃないか、と。
なんであたしは碇シンジの一言を聞いてそんなふうに思ってしまったのだろう?
彼は肩にかけていたカバンを降ろし、椅子に座った。
あたしは彼が座ってあたしに近づくと、ドキッとした。
頭がクラクラした。
なにこれ?熱でもあるのかな?
顔が熱い。

「ねぇ、君の両親って来てるの?」

「え?」

「だから、君両親だよ」

「ああ、あたしを日本に置いて、ドイツに行っちゃったの」

「ええっ?!置いていかれちゃったの?!」

「フフッ、冗談よ。あんた反応面白いわね、シンジ」

508: atlas 2014/04/18(金) 23:52:49.85 ID:???
「シ、シンジ?」

あたしは言ってから彼をファーストネームで呼んだことに気がついた。
そして胸を打つ鼓動。
シンジと言ってから強くなった。

「あ、あの、あたしの中学では名前で呼ぶルールがあったのよ!そ、その癖でつい……」

「へぇ、そんなところあるんだ」

「ええ。ねえ、あたしの名前分かる?」

「えっと、惣流さん」

509: atlas 2014/04/19(土) 00:01:56.57 ID:???
彼はあたしの胸の名札を見て言った。
「下の名前は?」
「ごめん、分からないや。名簿もよく見てなかったから」
「ふーん。まあいいわ。あたし、あんたのことシンジって呼ぶわよ。その代わりあんたはあたしをファーストネームで呼んでいいわよ」
「ええっと、じゃあ……」
そう言って、彼はバックから名簿の紙を取り出した。
「……アスカさん」
違和感。
「さんなんてつけないで」
「えっ、でも、いいの?」
「いいの!」
「じゃあ…………あ、アスカ」
顔を赤らめてあたしの名前を呼ぶシンジにあたしはまたドキッ、っとした。
呼吸がしにくくなった。

592: ATLAS 2014/06/17(火) 22:40:07.66 ID:EcaZ/l0Q
アスカ「ねぇ、シンジ」

シンジ「ん?なに、アスカ」

アスカ「シンジの誕生日っていつ?」

シンジ「6月6日だけど…」

アスカ「6月6日かぁ。じゃあまだまだ一年先………へ?」

アスカ「今日って何日だっけ?」

シンジ「6月7日」

アスカ「あ、あれ?ってことはもう…?」

シンジ「過ぎたね」

アスカ「なんで言わないのよ!言ってくれたらプレゼントあげたのに~」

シンジ「だって自分からそんなこと言ったら僕がプレゼントを欲しいって言ってるようなもんだしさ」

アスカ「ふーん。…ねぇ、あたしからのププレゼント欲しかっ ケンスケ「おーい碇。葛城先生が呼んでるぞ~」

シンジ「はーい。ん?アスカ、何か言った?」

アスカ「……いえ、なんにも」

シンジ「そっか。それにしても葛城先生なんの用だろ?僕何かしたかな?」スタスタ

アスカ「………」

593: ATLAS 2014/06/17(火) 22:57:00.77 ID:EcaZ/l0Q
アスカ(あの盗撮メガネ、良いタイミングで……)

アスカ(あーあ。どうやって渡そう…?)

アスカ(そんなさ、あたしがシンジの誕生日を忘れるはずないじゃん)

アスカ(4月にやった、初めてのクラス内の自己紹介のときにシンジが言ったのをずっと覚えてたんだから)

アスカ(一昨日の夜にシンジにプレゼントを渡すシチュエーションを考えてたらいつの間にか朝の5時で)

アスカ(少し寝ようとベッドに入って起きたら午後の7時!慌ててシンジの部屋に行こうとしたけどもう男子寮には入れない時間だった)

アスカ(まぁ、今考えれば一昨々日も寝てなかったのよね。プレゼントを渡すシチュエーション考えてたせいで)

アスカ(だから一日遅れだけど、今日初めてシンジの誕生日を知ったっていう体で今日の放課後に渡そうと思って、今、放課後に呼び出そうとしたのに……)

アスカ(そのときにプレゼントと一緒に告白して、もしOKしてくれたらシンジと……)

ヒカリ「あ、アスカ?どうしたの?怒ってると思ったらニヤニヤし始めて」

598: ATLAS 2014/06/21(土) 12:37:10.22 ID:pJddBDhE
>>593の続き
アスカ「な、なんでもないわよ」

ヒカリ「そう?なら良いけど」

アスカ「ど、どうかしたの?」

ヒカリ「アスカに昨日の話を聞こうと思って」

アスカ「昨日?」

ヒカリ「碇君に何をどうやってプレゼントで渡したのかを聞こうと思ったの。学校も休んでたしアスカのことだから壮大な計画でも練ってたんでしょ?」

アスカ「それがね…ゴニョゴニョ」

ヒカリ「えー!渡せなかったの?!」

ヒカリ「そんなの碇君が可哀想よ!」

アスカ「どうして?」

ヒカリ「昨日はアスカがいないのを良いことに男子たちが散々碇君をからかったの」

ヒカリ「『奥さんからのプレゼントはなんだったんだー』とか『プレゼントは惣流本人なんだろー』とかって言って」

ヒカリ「それもあってか碇君も一日中ソワソワしてて、朝のHR前なんてひどかったんだから」

アスカ「なにがあったの?!」ズイッ

ヒカリ(アスカったら碇君のことになるとこんなに真剣になって…)

599: ATLAS 2014/06/21(土) 12:48:45.19 ID:m/5RDVIk
ヒカリ「誰かが教室のドアを開けるたびにパッとその方を見てアスカじゃないって分かると落ち込んだような顔になるの」

ヒカリ「で、ドアを開けたのが男子だと『残念だったな、惣流じゃなくて』とか言われてからかわれてたわ」

ヒカリ「あと、加持先生が教室に来てさっき言った通りの反応をした碇君を見て、『アスカなら来ないぞ。俺の家に泊めているからな。昨晩は良かったなぁ』なんて言うと先生に殴りかかっていったりしたの」

ヒカリ「HR中も、葛城先生がまだアスカが来なくてソワソワしてる碇君を見て『アスカは入院した』って冗談っぽく言ったら『今すぐお見舞いに行きます!病院はどこですか!?』なんて言ってたわ」

アスカ「バ、バカじゃないの?全くバカシンジったらあたしがいないとこれなんだからもう…」ニヤニヤ

ヒカリ(……)






514: ◆arkg2VoR.2 2014/04/23(水) 00:16:41.48 ID:???
もうあれから一年半になるんだな。
何気なく日常を過ごしていたら時間なんてあっという間だ。
その間に様々なことがあったけど、思い返せるように平安な日々は。

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               君と僕の日記
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明城学院に入学してからの毎日は、たぶん大人からしたら「高校生の日常」と、
そんな他愛のない言葉で修飾されるんだろうな。
その点に関しては僕も異論はない、とりたてて拒絶するような日常はないのだから。

ただ一つ異なる点は、一年半の僕には想像もつかない毎日が日常になっていることだ。

入学式の少し前から僕は日記をつけている。
忘れないため、今の自分を過去から律するための、道標なのだろう。

テストが近いから勉強しなくちゃと思いつつ、結局ぼんやりとした今日を憂う。
つまり、眠る前にと習慣となった日記に向かったとき、
ふと出来心から、最初の日記をひもとき読み返してしまった。

以下、転載してみた。

515: ◆arkg2VoR.2 2014/04/23(水) 00:20:31.39 ID:???
入学月前日

合格を知った時の喜びとは裏腹に、いざその瞬間が近づくとなぜか不安になった。
そのせいか、僕は校舎近くまで足を向けてしまい、人影の少ない学校の周りをとぼとぼ歩いていた。

校舎の外観は穏やかで、学校案内のパンフレットと、説明会の様子から違和感がないことに安心した。
体育会系の部活かな、張り上がる声に驚いたけどなんだかみんな懸命な感じでそういう不安も払われた。

吐く息の白さにまだ困ってしまうけど、僕の心はもう春間近になっていた。

昼休みに潜り込めそうな図書館の佇まいもとてもよかった。
好きな曲を聞きながらここでご飯食べようかな、あ、飲食禁止なのかな。
それより、何の断りもなく入っちゃったことに気づいたのはこの日記を書き始めてからだ。

ぼんやりと煉瓦作りのそれを下から眺めていたとき、向かい側の校舎入り口から誰かが出てきたのに気づいた。
それが彼女だったと判断するまでに時間を費やしたのは、中学から変わらない僕の悪癖だ。

そう、試験日に電車の中で困っていた栗毛色の女の子だ。
大きめの封筒を小脇に抱えていたから、何か書類を受け取りにきたんだろう、まあいいか。
※注釈 つまりこの時の僕はまだそんな呑気な状態だった。

でも、偶然はほんとうに突然訪れるんだなあ、その子を見かけただけじゃないんだけどな。
寒くなってきたので駅に向かう途中、同じようにホームで出会った眼鏡の男の子に偶然出くわしたから。
彼の名前は「ケンスケ」といっていた、ぎこちなく会話して帰ってしまったのは悪かったかな。
でも、入学式で会えると思ったし、なんとなく彼とは気が合いそうだと自分勝手な、
そうだよ、結局寒さに耐えかねて家までの帰路ばかり考えて足早になっちゃったからなあ。
※注釈 この時感じたこととこの文章はケンスケには云えないなあ。。。

はやく春にならないかな、今までは時が過ぎるのを望んでいたけど、今は違うな。
今日は7時夕食、9時入浴、12時就寝。
※注釈 この日なぜか寝付きが悪かった理由を僕はあとで知ることになる。

516: ◆arkg2VoR.2 2014/04/23(水) 00:22:02.67 ID:???
以上、転載終わり。
今思うとこの時の自分が泰平極まりないのが情けないやら恥ずかしいやら。
やっぱり日記ってのは人に公開するものでもなければ形式張って書くものでないと今更知った。

厚めの装幀の日記帳を感慨深くぱたんと閉じたとき、遠くのお風呂場のドアが開くのが聞こえてきた。
いけない、出てきちゃった、慌てて日記帳を引き出しにしまった頃、廊下には湯気の匂いと、鼻をくすぐるボディーソープの残り香。
すぐ入って、上がったあと風呂掃除の準備をしておかないと機嫌悪くするんだからなあ、
慣れたとはいえ、いや、習慣になっている自分にあきれるやら。。。
でも、それだけ僕たちは近づき、ちょうど良い距離感に達したのかな。。。まだわからないや。

「ちょっと、なにぐずってんのよ、さっさと入って明日の準備!、そのあとはちゃんとアタシの相手しなさいよ、シンジ!」

他の人には雷鳴でも僕にはいつもの好きな声だ、わかってるよ、今日は何を話そうかな?

517: ◆arkg2VoR.2 2014/04/23(水) 00:25:01.71 ID:???
そう月想日

アタシが日記を書き始めたのは、正確に云えば明城学院に入学する少し前。
これからの楽しい生活を思い描けば当然その日々は貴重な想い出となるしその記録のため。

。。。でも、まさかそれが別の意味を持つことになるとは思いもよらなかったわ、あのキモ男のせいで。

なんでこうなっちゃったんだろう、最初に書いた日記をお風呂に入る前に読み返してみた。
うーん、ドライ極まりない内容だったわ、乗換駅と運賃と雑費の記載に学校の客観的な感想が彩られただけの。

そういえばこの日だったわね、そのキモ男を再び見る事になったのも。
古ぼけた図書館をボケーと見上げていて、変なのがいるわねと傍目で冷たい視線を送ってあげたけど。
でも、そうよね、なぜか気になって視界から外れる頃ふと振り返れば、アイツもアタシを見ていた、不思議な瞬間、偶然が必然へ。

それからのことはこの日記に事細やかに記されている。
もちろんいいこともわるいことも、嬉しいことも悲しいことも、嫌ったこともまた好きになったことも。。
決して他人には見せない、絶対、死んでも見せない、もちろんアイツにも、一緒に燃やして、その方が楽よ。
。。。素直なアタシの感情なんかあのバカに知らしてやるもんか、もう知ってるのにこれ以上好きにさせてやるもんか、ふん。

518: ◆arkg2VoR.2 2014/04/23(水) 00:27:14.08 ID:???
でも、ただの雑記に過ぎないアタシの日記を、色鮮やかなものに変えてくれたのは、
日本語が不得手なアタシにつきあって文章のイロハを教えてくれたアイツのおかげであることは認めざるを得ない、クヤシイ。
そのせいよ、アタシの日記がここまで誰にも明かせないものになったのは!責任とりなさいよ、ヴァカ!

ここまで思い返してみて、なぜアタシとアイツが同じ屋根の下にいるとか、
こんなもやもやした感覚も同居人になるような仲になったかは今更語るべきものではないわ。
なぜならそれはこの厚い装幀の日記帳に記されているから、
アイツが始めて贈ってくれたこの古風な茶色の塊の中に閉じ込められているから。

。。なんだか熱くなっちゃったな、早くお風呂に入ってさっぱりしようっと。
もちろんそのあとはアイツが戻ってきてからこのもやもやを消してやるんだから。

もう一年半ね、シンジ。
なあなあにならないよう、この日記の中の想い出を甦らせては、またアンタをつなぎ止めるわ。
※ここまで書いてお風呂から上がったら、シンジがそそくさと何か隠したのをアタシは知っている、ふふん。



637: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/23(火) 12:41:25.09 ID:c/cQSV5M


午前0時30分

アスカ「ハアッ、ハアッ、どう?まだ追ってくる?」

シンジ「……多分うまく撒いたと思うけど…気をつけて」

アスカ「ったく。なんでこんなことになってんだか…」

シンジ「アスカが僕が帰ろうって言っても聞かないからじゃないか」

アスカ「うっさいわねー。黙って周りの注意してなさいよバカシンジ!」

シンジ「なんだよそれ」ボソッ

アスカ「なんか言った?」

シンジ「いえいえなんにも」

シンジ・アスカ「!!!」

アスカ「ウソっ!ここまで追ってくるの?!」

シンジ「こんな細道にまで来るなんて!」

アスカ「早く逃げるわよ!そこの角を左ねっ!」

シンジ「了解!」

638: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/23(火) 12:50:32.70 ID:c/cQSV5M
前日16時30分

シンジ「さーて。学校終わったし寮でゆっくりしようっと」

アスカ「ってことはあんた暇なのね?」

シンジ「うわっ!惣流!」

アスカ「暇なら付き合って」

シンジ「え?」

17時00分

街中

アスカ「あたしまだこの街のこと全然知らないのよ」

シンジ「うん」

アスカ「だから色んなところ紹介しなさいよ」

シンジ「僕だって知らないよ。入学試験のときに初めてこの街に来たんだから」

アスカ「男なら住んでる街の一つや二つ歩き回ってなにがどこにあるとか調べておきなさいよ」

シンジ「なんで男だとそんなことしなくちゃいけないんだよ」

アスカ「あんたバカぁ?こうやって女の子と出かけることがあるかもしれないじゃない」

639: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/23(火) 13:03:39.46 ID:c/cQSV5M
シンジ「そうなの…?」

アスカ「まぁ、あんたと出かけるような物好きな女子はいないか!ハハハ!」

シンジ(これはつっこんじゃいけないパターンだ!だからといってこのまま引き下がるのは情けないよね。よーし…)

シンジ「僕だって…告白されたことくらいあるよ!」

アスカ「へ?……アハハ!まさか!あんたが?痩せ我慢するんじゃないわよ!」

シンジ「本当だよ!」

アスカ「ふ、ふーん?ちなみにその泥棒ねk…じゃなかった!そのあんたに告白したっていうのはなんていう名前?」

シンジ「惣流には分からないよ。僕の地元の子だもの」

アスカ「で、あんたはオーケーしたの?」

シンジ「してないよ」

アスカ「よし」グッ

シンジ「??どうしたの?」

アスカ「なんでもないわよー」

640: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/23(火) 13:28:51.89 ID:???
アスカ「まぁ、あたしも告白なら何回もされたわよ?」

シンジ「あっ、そうなんだ」

アスカ (なによ?付き合ったのか聞かないわけ?)

シンジ「………。」


17時30分

アスカ「あっ、本屋!」

シンジ「へぇータツヤがこんなとこにあったのか」

アスカ「行くわよ」

シンジ「アスカって本読むの?」

アスカ「あんたバカぁ?この世にあたしほどの読書家はいないわよ」

シンジ「そうなんだ。あんまりそんな感じに見えないから」

アスカ「あんたはどうなのよ?本、読むの?」

シンジ「まぁ、そこそこかな。一人になりたいときとか結構読むよ」

アスカ「一人になりたいから本を読むっていうのはあんたらしいわね」

シンジ「音楽を聴きながら本を読むのはオススメだよ。そこには自分と本しかいないからね」

641: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/23(火) 13:39:49.87 ID:c/cQSV5M
アスカ「あんたって本当に根暗ね~。クラスでもあたしとあのキモメガネとしか話してないでしょ?」

シンジ「よく知ってるね」

アスカ「せ、席が隣だからでしょ?全く、ウチのクラスは「か行」の苗字が少なすぎるのよっ!」

シンジ「それでアスカってなに読むの?まさか、ライトノベル?」

アスカ「あんたあたしを舐めてるの?ラノベ読んでるのはあんたの方でしょ?」

シンジ「いや、ライトノベルは読まないんだ。ケンスケに勧められるけど、手に取りにくくて…」

アスカ「まぁ、あの表紙じゃあんたはラノベが置いてある本棚の横を通り過ぎるときにチラッと見るくらいしかできないでしょうね」

シンジ「!!は…ははは」

シンジ (なんで僕がライトノベルの本棚をチラ見してるのが分かった?)

シンジ「そ、それでアスカの好きな本は??」

アスカ「そうね…『赤毛のアン』ね」

シンジ「赤毛のアン?!」

アスカ「なによ?あたしがアンを読んでるのがそんなに意外?」

シンジ「いや、ぴったりだな~と思ったんだよ。アスカもちょっと髪の毛赤みがかかってるし」

アスカ「ふん、その内完全に金髪になるから見てなさいよ。ママの髪の毛は綺麗な金髪なんだからあたしだってなるわよ」

642: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/23(火) 14:19:13.68 ID:a7geUXu6
18時30分

アスカ「そろそろお腹すいたわねー」

シンジ「じゃあ、寮に帰ろうか」

シンジ(ホッ…。ようやく解放される。惣流と一緒に街を歩いているところなんか学校の誰かに見られたら酷いことになる。席が隣っていう時点で酷い目にあってるのに)

アスカ「えー嫌よ。九州ラーメン食べたい」

シンジ「九州ラーメンなんてこの街にないよきっと。新関東地方だよ?ここは」

アスカ「なんでこの街のことをよく知らないあんたが九州ラーメン屋さんがないって分かるの?」

シンジ「…まぁ確かに」

アスカ「なら、探すわよ!九州ラーメン屋さんを!」

シンジ「ちょっと待ってよ惣流。寮のご飯はどうするの?」

アスカ「……」ジーッ

シンジ「え?」

アスカ「あんた、あたしのことアスカって呼びなさいよ。あたしもあんたを名前で呼ぶから」

シンジ「え…どうして?」

643: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/23(火) 14:20:14.61 ID:???
アスカ「どうしてってなによ?あたしを名前で呼ぶのが嫌なの?それともあたしがあんたを名前で呼ぶのが嫌なの?それともその両方なの?どれなの?」

シンジ(両方です)

シンジ(だってクラスで隣の席だというだけであんなことをされるのに、名前で呼び合うだって?そんなの僕の命がいくつあっても足りないよ!)

シンジ「そのどっちでもなくて…は、恥ずかしいから…?」

アスカ「はぁ?それはお互い様でしょ?あたしだってあんたを名前で呼ぶのは恥ずかしい…わよ?」

シンジ(なんだこれ?惣流が顔を赤らめて僕と目を合わせようとせず俯いてさらには両手の人差し指をツンツン合わせてるこの状況はなんなんだ?か、可愛い…)


シンジ「は、恥ずかしいならやめればいいじゃないか」

アスカ「~~!いいから、名前で呼び合うの!分かった?馬鹿シンジ!」

シンジ「う、うん」

644: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/23(火) 14:26:46.38 ID:???
アスカ「よし!じゃあ九州ラーメン屋さん探しにいくわよ、シンジ!」

シンジ「ちょっと待ってよ惣…」

アスカ「ん?」ギロッ

シンジ「じゃなかった。…アスカ」///

アスカ「なによ?」///

シンジ「寮食はどうするの?」

アスカ「ああ、欠食届出してあるから大丈夫よ」

シンジ「そ…アスカは出してても、僕は出してないんだよ!」

アスカ「そこはへんは抜かりないわ。あんたの分も出しておいたから」

シンジ「ということは初めから外で食べる気満々だったんだね」

アスカ「まーね」

645: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/23(火) 14:40:59.79 ID:a7geUXu6
九州ラーメン屋 日向

アスカ「ほら、ちゃ~んとあるでしょ!」

シンジ「そ、そんな…」

アスカ「初めから諦めるか、諦めないかの差よね~これが」

シンジ「くっ……。」

アスカ「この世界は積極的な人が報われるのよ。なんかの本でそういうセリフがあったわ。あっ、九州ラーメン二つ」

店員(日向)「パターン白二つ入りましたー!」

店員たち「「アザーっす!!」」

アスカ「うるさいわね」

シンジ「ラーメン屋だからね」

アスカ「それになによパターン白って。確かに九州ラーメンのスープは白いけどさ」

シンジ「あっ、すごい!パターン赤っていうラーメンあるよ」

アスカ「きっと担々麺でしょうね」

シンジ「パターンお子様っていうのも」

アスカ「きっとお子様ラーメンでしょうね」

646: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/23(火) 14:45:45.59 ID:a7geUXu6
シンジ「パターン青なんてのもあるよ」

アスカ「きっと青いラーメンなんでしょう……え?青?」

シンジ「うん。見本の写真はないけど、ほら」

アスカ「……これでパターン白がまずかったら2度と来ないわこんな店」


19時30分

アスカ「ラーメンの名前はともかく味はまあまあだったわね」

シンジ「そう?普通に美味しかったよ?」

アスカ「さて、次はカラオケでも行きましょうか」

シンジ「カラオケ?」

アスカ「どうしたのよ?」

シンジ「僕、カラオケなんて行ったことないよ」

アスカ「へ?どうして?」

シンジ「だって、僕の地元にはカラオケ屋さんなんてないもの」

アスカ「あんたの地元って一体どんな田舎なのよ…行ってみたいわ」

シンジ「じゃあ今度僕が帰省するとき行く?」

651: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/24(水) 12:26:21.00 ID:2x94WECT
アスカ「え…?」

アスカ(それはどう受け止めれば良いの?)

シンジ「こことは比べものにならないくらい田舎だけど、結構良いところなんだ」

アスカ(普通に考えれば、家に呼ぶなんて相当な仲じゃないとできないわ)

シンジ「空気も水も綺麗だし、何より静かでいいよ」

アスカ(でもこのバカの場合、地元を自慢したいとかそんなとんでもない理由があり得る)

シンジ「正直、あそこには帰りたくなかったけどアスカとなら帰れるかもしれない」ボソッ

アスカ「ん?なんだって?」

シンジ「いや…なんでもないよ」

アスカ「でもどうして帰りたくないの?あんたの大好きなパパやママが待ってるのよ~?」

652: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/24(水) 12:35:16.85 ID:2x94WECT
シンジ「……」

アスカ「…どうしたのよ?」

シンジ「僕の両親はいないんだ。母さんは僕が小さいときに病気で死んで、父さんは母さんを追って……」

アスカ「ご、ゴメン。…まさかそんな事情があるなんて知らなかったのよ」

シンジ「い、いやそんな、謝らなくていいよ!アスカが僕の事情を知ってるはずないんだし」

アスカ「……あんた……シンジ、ってそういう過去があるからいつも一人でいようとしてるの?」

シンジ「……僕は一人が当たり前なんだ。友達と話していても僕は一人なんだ。クラスのみんなと一緒に笑っていても僕は一人なんだ」

アスカ「笑っているときも?」

シンジ「そうかもしれない」

アスカ「なら、あんたが笑っていればそれは、作り笑いなの?」

シンジ「……そうかもしれない」

653: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/24(水) 12:43:13.82 ID:2x94WECT
アスカ「あんた、それでいいの?」

シンジ「いいんだ。だって僕はずっと一人だったんだよ?今更一人じゃなくなろうとしたって無駄だよ。僕はもう自分が決まっているんだ。碇シンジとはこういう人間なんだって決まっているんだ」

アスカ「そんなのあんたが決めただけでしょ?」

シンジ「…そうかもしれない」

アスカ「また新しく変えればいいじゃない」

シンジ「…。もうこの話はやめよう」

アスカ「そうやって逃げるのね、あんたは」

シンジ「……」

アスカ「ハァ。まぁいいわ。……そういえば、あんた友達と話していても、クラスのみんなと一緒に笑っていても一人なのよね?」

シンジ「……」

アスカ「じゃあ、あたしといるときは?」

654: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/24(水) 13:05:30.85 ID:2x94WECT
シンジ「……」

アスカ「あたしといても一人なの?」

シンジ「……分からない」

シンジ「分からない。アスカと初めて会った時、僕は君に以前会ったことがあると思った。僕はいつか君と一緒にいたような気がするって思った」

アスカ「……」

シンジ「アスカといると、ハラハラする。ときどき、隣の席のアスカが怖くなることがあるんだ……。嫌われてるんじゃないかって」

アスカ「はぁ?」

シンジ「アスカだけじゃない。色んな人が怖い。でも、アスカは特別怖いんだ」

アスカ「そんなのあんたの妄想でしょ?」

シンジ「でも、アスカは僕を嫌っているような素振りをするじゃないか」

アスカ「あんたバカぁ?」

658: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/25(木) 14:25:38.23 ID:Me83SKoI
アスカ「そんなのあんたが勝手に嫌われてるって勘違いしてるだけじゃないの」

シンジ「……」

アスカ「ま、いいわ。勝手に嫌われてるって思ってたら良いんじゃない?」

アスカ「でもそんな個人の思い込みであたしが怖い人になるのは頂けないわね」

シンジ「……」

アスカ「…………」

アスカ「あんた、ずっと自分は一人だって言っていたけど本当は一人じゃないから人が怖いんでしょ?本当に一人だったら、他人なんかになんの感情も持たないはずよ。つまり、あんたは一人になるのが怖いのよ」

シンジ「え…」

659: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/25(木) 14:38:46.13 ID:Me83SKoI
アスカ「あんたは自分が分かってないのよ。なにが好きでなにが嫌いでなにが楽しくてなにが怖いのかが」

シンジ「そうなの…?」

アスカ「そんなに1人が怖いなら、あ、あたしが守ってあげるわ」

シンジ「え…」

アスカ「だからあんたが1人にならないように、い、一緒にいて…あげるのよ」

シンジ「そ、そんな」

アスカ「あたしじゃ、イヤ?」

シンジ「そんなワケないよ!」

アスカ「じゃ決定ね。でもこれはあくまでボランティアであり、一石二鳥の『一石』を投じる行為。あ、あたしがしたいからやってることなんだからあんたは変に申し訳なく思わなくて良いんだからね!」

シンジ「?」

シンジ「うん、分かったよ。ありがとうアスカ」ニコッ

アスカ「ッ~~~」カァァァ

663: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/27(土) 00:39:24.30 ID:gfa/2ULJ
20時00分

アスカ「さて、これからどこに行きましょうか?」

シンジ「門限は10時だしまだ時間はあるね」

アスカ「ボーリング?カラオケ?ショッピング?」

シンジ(嫌な予感がする)

シンジ(まずボーリングだと……)

アスカ『250点か…。まあまあね』

シンジ『……』

アスカ『え?あんた100点もいかないの?だっさー』

シンジ(次にカラオケだと……)

アスカ『あの時あたしが欲しかったものは~♪』

アスカ『96点か……。まあまあね』

シンジ『……』

アスカ『え?あんた80点もいかないの?だっさー』

シンジ(ショッピングはもうお店閉まっちゃってるだろうし)

664: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/27(土) 00:53:59.43 ID:gfa/2ULJ
シンジ「じゃあ、あの高台に行って夜景見ようよ。行ったことないけど、すごく綺麗らしいよ」

アスカ「夜景か……。良いわね。じゃあ早速行きましょ!」


20時30分


高台

アスカ「うわっ!綺麗…!」

シンジ「本当だ…」

アスカ「ここまで登ったかいがあったわね」

シンジ「そうだね」

アスカ「でも、この街の光が星を見えなくしてるのよね」

シンジ「僕、星を見るのが好きなんだ。星を見てると安らぐっていうか……。寮から眺めて見えなかったから、ここなら見えるかなって思ったんだけどダメだったね。地元だとこんなに明るい光なんてないからすごく綺麗に見えたのに」

665: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/27(土) 01:06:53.03 ID:gfa/2ULJ
アスカ「あたしの地元の夜空もこんなもんだからあまり星が綺麗って感じたことないのよね」

シンジ「じゃあ、今度僕の地元へ行ったときに一緒に見ようよ。良い場所があるんだ」

アスカ「え、ええ」

アスカ(シンジの地元に行くことは決定してるのね…。いやいや!不満なんてないけど変に緊張するわね…)

シンジ「あっ、アスカ。あれ見て」

アスカ「キスしてるカップルね」

シンジ「きっと幸せなんだろうね。こんなところで好きな人と一緒にいれるってことは」

アスカ(!?)

アスカ(今のセリフは…まさか…!)

アスカ(なるほど。だからここに連れてきたのね///)

アスカ(やっぱりそういうのは男からするものだけど)

アスカ(でもこいつの場合なにかきっかけがないとできなさそうよね)

アスカ(よ、よーし!)

666: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/27(土) 01:35:57.13 ID:gfa/2ULJ
アスカ「あ、あのさ、シンジ」

シンジ「なに?」

アスカ「あたしのこと…アスカって名前で呼ぶ男の人って、パパとシンジだけなのよ…」

シンジ「そ、そうなんだ」

アスカ「今まではパパだけにしか呼ばせなかったわ」

シンジ「そう…なんだ」

*蛇足パート

アスカ「鋼鉄のガールフレンド2とかいう謎のゲームではあのキモメガネやジャージ男に名前で呼ばれてたけどあれは違うのよ!」

シンジ「そうだよね!僕もびっくりしたんだよ!アスカが急にケンスケと踊りだしたときとか、『ケンちゃん』とか言いだしたときは制作会社に殴り込もうかと思ったよ」

アスカ「それとあのキモメガネが『アスカを俺にくれないか?』みたいなこと言ったシーン!PSP投げちゃって壊れたのよ!ふざけんじゃないわよ!」

シンジ「僕はパソコンのディスプレイ殴って割れちゃったんだ!弁償してもらいたいよ!全く!だからアスカファンやLASファンはケンスケが嫌いなんだね」

アスカ「あの『俺にくれないか』のシーンはあのLRS派も唖然としたそうよ」

シンジ「本編ではそこそこ良いキャラなのに」

アスカ「あんたバカぁ?人を盗撮して金稼ぎしてる男のどこが良いキャラなのよ!」

シンジ「そういえばそうだ!」

*蛇足終了

667: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/27(土) 01:47:26.88 ID:gfa/2ULJ
アスカ「だから、その、あんたはあたしにとって特別…なのよ」

シンジ「……僕にとってもアスカは特別だよ」

アスカ「どうして特別なの?」

シンジ「そ、それは…///」

アスカ「それは?///」

シンジ「……ま、また今度!また今度言うよ!そうだ!アスカが僕の地元に来たときにでも言うよ!」

アスカ「……いくじなし」

シンジ「いくじなしってことは僕の気持ち分かってるの?!」

アスカ「わ、分からないわよ?ちゃんと口に出して言ってもらわなきゃ」

シンジ「そんなぁ…」

アスカ「あんたね、今少し勇気出せば一生告白する勇気なんか使う必要ないのよ?……………あ」

シンジ「い、一生…?」

アスカ「っ~~~///」

シンジ「僕なんかでいいの?」

アスカ「あんたじゃないとダメなの!ほら、ここまで言ったんだから早くしなさいよ!」

669: 需要もないのに勝手に供給 2014/09/27(土) 01:54:27.98 ID:gfa/2ULJ
シンジ「……」

シンジ「ごめん。さっき言ったみたいに一緒に僕の地元に行ったときに言うよ」

アスカ「なによ…それ。なんで待たされなきゃいけないの?なんで我慢しなくちゃいけないの?」

シンジ「僕はずっと一人が怖くて、でも一人だと思い込んでた。そんな僕の弱いところを克服してからにしたいんだ」

アスカ「そんなところも、好きなのに」ボソッ

シンジ「え?」

アスカ「なんでもない!」

シンジ「だから、それまで待ってて…ください」

アスカ「……ハァ」

アスカ「うん。待ってる」ニコッ




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